すぐスタッフが辞める歯科医院の特徴10選|スタッフを辞めさせない方法とは
2023.06.23「せっかく採用したのに、働き始めて半年もしない間に辞めてしまった。どうして採用しても、すぐに辞めてしまうのだろうか?」そんな経験をしたことがある歯科医院関係者もいると思います。では、なぜ歯科衛生士がすぐに辞めてしまうのでしょうか。この記事では、歯科衛生士が辞めてしまう、歯科医院の特徴について書いていきます。
すぐにスタッフが辞める歯科医院の10の特徴
歯科衛生士がすぐに辞めてしまう歯科医院には、どんな特徴があるのでしょうか?一般的に、以下の10個の特徴が見られます。
- 人間関係が悪い
- ハラスメントが横行している
- 一人が受け持つ仕事量が多すぎる
- 新人教育が満足に行われない
- スキル・キャリアアップに対する支援がない
- やりたい仕事をやらせない
- 勤務日数や勤務時間が多い
- 福利厚生が充実していない
- 給料が他医院と比較して安い
- スタッフを適切に評価しない
ではここから、詳しい内容を紹介していきましょう。
人間関係が悪い
働き始めた歯科医院が人間関係が悪かったらどうでしょうか?人間関係が悪いということは、周囲の人とのコミュニケーションがうまくいっていないということになります。
そうなると、歯科衛生士としての技術を教えてもらいたくても教えてもらうことができず、孤立感を感じてしまい、職場に居づらくなってしまうでしょう。そんな歯科医院で長く働き、キャリアを築いていこうと思えるでしょうか。
ハラスメントが横行している
歯科衛生士の職場で蔓延しがちなハラスメントは、パワハラ、セクハラ、マタハラとさまざまです。とくに、現場の空気感を良くするべき存在である、院長が各種ハラスメントをしてしまうこともあります。院長がハラスメントをしてしまうと、スタッフたちは誰にハラスメントの相談と改善を持ち掛ければいいか分からなくなってしまい、退職という形になってしまうのです。
また、ハラスメントをするのが一般のスタッフだったとしても、院長がハラスメントをするスタッフの肩を持ったり、ハラスメントを受ける側が悪いといった態度をとってしまうと、これも退職理由となってしまいます。
一人が受け持つ仕事量が多すぎる
残業や休日出勤が当たり前という空気感があったり、大量の仕事をこなせてはじめて一人前という考え方が常態化してしまっていたりすると、スタッフが定着しない可能性が高くあります。
勤務時間が長すぎると、ストレスや疲労がたまって解消できなくなり、健康への悪影響が懸念されてしまいます。
また、一人で多くの仕事を受け持つと、成果や達成感が得られにくくなり、モチベーションも低下してしまうでしょう。
新人教育が満足に行われない
新卒スタッフやブランクのある人などの新人は、必要な知識やスキルが不足していることが多いです。そのため、新人教育が必要となってきます。
新人教育が満足に行われていない場合、新人スタッフは何をしていいか分からず、適切な動きをすることができません。そしてそれを怒りつけたりすると、新人スタッフは理不尽を感じ、その結果、辞めてしまうのです。
スキル・キャリアアップに対する支援がない
歯科衛生士として勤務する人は、キャリアアップしたいと考えている人も多くいるでしょう。しかし、専門職としてのスキルや知識を身につけるための支援がなければ、キャリアアップすることができません。
スキル・キャリアアップに対する支援がない歯科医院で働き続けても、意味がないと思ってしまう人もいるのです。
やりたい仕事をやらせない
スタッフはなにかしら、やりたい仕事を持って医院の門を叩いています。やりたい仕事がなかったとしても、好きな仕事や嫌いな仕事の一つや二つはあるでしょう。やりたい仕事の希望をまったく受け付けず、ほかの業務ばかりさせていたらどうでしょうか。モチベーションが低下し、ストレスが増加、働いている歯科医院に疑問を持つことになります。その結果、スタッフは辞めてしまうのです。
勤務日数や勤務時間が多い
働き方改革やコロナ禍を受けて、今スタッフの働くモチベーションや安心を得る上で最も重要としているのがワークライフバランスです。昔のようにがむしゃらに働いて、たくさん稼ぎたい!という方は少なくなってきており、それよりも自分の好きなことに費やせる時間や家族やパートナーとの時間を、より重視する傾向が強くなっています。休みが少ない、時間が遅い、長時間労働、残業が多いなどの理由によって辞めてしまう人は年々増加しています。
福利厚生が充実していない
歯科衛生士として働く人には、出産・育児をする人もいます。親の介護をしながら働いている人もいるかもしれません。産休や育休をとりたい人や、介護のため長期の休暇が必要になる人もいるでしょう。
その休暇の後、復帰したいと思っても、勤めている歯科医院に職場復帰の制度がなかったらどうでしょうか?復帰できずに辞めるしかありません。
給料が他医院と比較して安い
同じ業務をするなら、給料が少しでも高いほうがいいと思う人が多いでしょう。給料の見直しを要求しても聞いてもらえず、給料がほかの歯科医院と比べて低かったら、もっと給料がいい歯科医院に転職しようと考えてもおかしくありません。
スタッフを適切に評価しない
院長やそれに準ずる人が適切にスタッフを評価せず、個人の好き嫌いの気持ちで給与などを決めていたら、スタッフはどう思うでしょうか。
自分の業務に対して正しく評価されていないと感じると、モチベーションが低下し、ストレスも増加します。スキルアップの不安にもつながり、辞めてしまおうと考えるのです。
スタッフが辞める歯科医院から脱却する方法
歯科衛生士が辞める歯科医院から脱却したいと考えている歯科医院関係者の人は、これから書く方法を試してみてください。この方法をすることで、歯科衛生士が辞めなくなるかもしれません。
院長がマネジメントを学ぶ
院長がマネジメントを学ぶことで、チームワークを作るためのスキルを修得することができます。
何がハラスメントになるのかを院長自身が知っておくことで、自分の歯科医院で働くスタッフのモチベーションアップやコミュニケーションの改善など、チームワークの強化につながります。
スタッフ同士のコミュニケーションを促進させる
歯科医院で働く、スタッフ全員でのコミュニケーションを促進させるためには、働くみんなの意見が大事となってきます。
仕事終わりに食事会を開くなど、スタッフみんなの意見が聞ける機会を作りましょう。
その中で、改善してほしいことを聞くことができるので、そこを改善していけばスタッフが辞めていく可能性は低くなっていくでしょう。
新人教育のフローチャートを作る
新人教育のフローチャートとは、医療機関において、以下のような内容をまとめたもののことです。
- 基本的なルール・マナー
- 医療の基礎知識
- 業務フロー
- 診療補助の方法
- 医療機器の扱い方
- 患者対応
- エチケットなど
これらを教えるためのフローチャートを作成しておくことにより、研修が体系化でき、新人が入ってきたらやることが明確化されます。なにを教えればいいか分からないといった理由で、新人を放っておくことが減り、教える側の負担軽減にもなるでしょう。
休みやシフト、勤務時間を見直す
診療時間を変えるのは患者さん満足や診療売上げにも影響が出てしまったり、HPや看板などの差し替えも必要となるためパワーが掛かりますので、まずはスタッフのシフトで、例えば半日休みの日を作るとか、月に1回連休を設けるとか、思い切って週休3日制を導入してみる等の工夫をしていくことでスタッフ満足度が向上していきます。また、歯科医院に限ったことではありませんが、全業界で「残業=悪」の傾向にあります。残業が多い歯科医院はそもそもの勤務時間やアポイントの方針を見直しすることをおすすめします。
福利厚生を充実させる
有給休暇や特別休暇、育児休暇や介護休暇などの家庭の事情に配慮した休暇制度を充実させることで、スタッフのワークライフバランスを改善することができるでしょう。また、気軽に長期休暇がとれるような院内の空気感をつくることも大切になります。
また、研修制度を充実させることで、スタッフのスキルアップやキャリアアップを支援することができ、スタッフのモチベーションアップや職場環境の改善にもつながります。
給料を見直す
給料を見直すことで、スタッフのモチベーション、業務やサービスの質、定着率の向上につながります。ただやみくもに給料をあげればいいという訳ではありません。
スタッフの給料については、【2023年版】歯科衛生士が採用できない1番の理由【給料・給与の話】の記事で紹介していますので、本記事とあわせてご覧ください。
定期的にスタッフとの面談の場を設ける
定期的にスタッフとの面談をすることで、自分の意見や要望を言える環境があると感じ、モチベーションが向上する可能性があります。
自分の意見や要望を言える環境があると、医院に対する信頼感が向上するでしょう。定期的な面談で、困っていることがないか聞いたり、やりたい仕事はやれているかを確認しましょう。
やりたい仕事をやってもらうことで、やりがいや充実感を感じることができ、モチベーションアップにつながります。
業務内容を見直す
業務内容を見直すことで、無駄な作業を省くことができ、延いてはスタッフのストレスや疲れを軽減することができます。
業務量が減ることで、残業も減り、スタッフのライフバランスがとれるようになり、定着率が高くなるのです。
すぐにスタッフが辞める歯科医院の院長が知るべきこと
ここまでは、「スタッフが辞める歯科医院」脱却のために行うべきことをまとめてきましたが、なかなかすぐにすべてのことを取り入れるのは難しいと感じませんでしたでしょうか。たしかに、給料をあげるにしてもまずは医院の利益をあげなければなりませんし、業務内容を見直すといってもスタッフが長年築きあげてきた方法をすぐには変えられません。
だからといって、「すぐにスタッフが辞める歯科医院」から脱却できないかというと、そんなことはありません。「すぐにスタッフが辞める歯科医院」という不名誉なステータスから脱却するためには、まず院長が変わる必要があるのです。
自院が「スタッフを大事にしないクリニック」になっていないか
歯科医院の院長は、自分の医院が「スタッフを大事にしているか」を考えてみてください。
定期的にスタッフとの交流はあるのか、休暇はとりやすい環境になっているのか、業務が偏っていないかなど、スタッフが不満に思っていそうなことを客観的に考えてみるのも必要です。
マネジメントは一朝一夕では学べない
ネジメントは、人とのコミュニケーションやリーダーシップ、組織の運営など、たくさんのスキルが必要とされるので、学ぶためには時間と努力が必要となります。
しかし、スタッフがすぐに辞めてしまうのであれば、院長のマネジメントに問題がある可能性もあります。一朝一夕で学べる内容ではありませんが、長期的な視点を持って、よりスタッフが働きやすい職場となるようにマネジメントを学んでいきましょう。
多くのスタッフは仕事にやりがいを感じている
歯科医院で働くスタッフは、患者さんの健康や生活に貢献することができるため、仕事にやりがいを感じている人が多いです。
また、患者さんとのコミュニケーションやチームワークを通じて、自分自身の成長やスキルアップを図ることができるため、やりがいを感じることもあります。
仕事自体にやりがいを感じているのに、どうしてすぐに辞めてしまうのか。そこを考えることが重要となってきます。職場の人間関係か、やりたい仕事ができていないのか、それともキャリアアップに不安があるのか、それらを定期的な面接でヒアリングし、表面化させなければなりません。
すぐに辞めていくスタッフはどうしてもいる
どんなに良い職場であっても、働いてみて、自分には合わないと感じる人は少なからずいます。明るく人と人との交流が多い職場は、コミュニケーションが好きな人にとっては良い職場である一方、一人でコツコツ仕事をしたい人にとっては良い職場とはいえません。
自医院の特色というものはどうしてもあって、それに合致しない人も必ずいるのです。しかし、その数をどれだけ減らせるかが採用のポイントとなります。事前に求人票に、「コミュニケーションの多い職場です」と記載しておけば、コツコツ仕事をしたい人は応募してきません。もし応募してきたとしても、早期退職となるでしょう。すぐに辞めていくスタッフはどうしてもいることを、念頭に置いておきましょう。
困ったら一人で悩まない
ここまで本記事を読んできて、「すぐスタッフが辞める医院」を脱却するのは難しいと感じませんでしたでしょうか。スタッフが辞める理由は非常に多様で、その原因も至る所にあります。そこで悩み、諦めてしまうのではなく、歯科医院の採用に特化したノウハウを持つ企業を、頼ってみてはいかがでしょうか。
RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれる採用代行サービスを利用することにより、採用のプロが自医院にあった人材を見つけてくれます。そして院内でできる工夫を院長が率先して行うことにより、雰囲気が良くなり、スタッフの定着率も改善されるかもしれません。
歯科医院の採用でお困りならデンタルHR総研
デンタルHR総研は、歯科医院の採用のお手伝いをする企業です。スタッフの採用におけるすべての行程を丸投げすることができ、歯科採用のプロである担当者が貴医院にぴったりの人材を紹介します。
採用に関する一連の流れをプロが代行
デンタルHR総研は、求人募集から採用・定着までの一連の流れを代行し、医院に代わって採用業務を行います。求人広告の作成や掲載、書類選考、面接、内定までを徹底的に代行・サポートいたします。
採用業務になかなか時間を取れない院長や担当者様に代わり、丁寧かつ迅速に採用に関する一切の業務を行っていきます。
求職者と医院のミスマッチを減らす
求人募集の際には、求める人材や仕事内容、待遇などをはじめに明確にしておく必要があります。書類選考や面接で、人材がどのような人なのか、そしてどんな業務を希望しているのかを聞き出すことで、医院とのミスマッチをある程度減らすことができるのです。ミスマッチが減ることで、辞めていく人も減るようになります。
まとめ
辞めていくスタッフが多い歯科医院の特徴が自医院に当てはまっていれば、改善が必要です。しかし、長い年月をかけて築き上げられてきた仕事のやり方や人間関係は、すぐに改善することは難しいでしょう。しかし、院長が率先して職場を良い方に改善していこうとすることにより、小さなことでも絶対に何かは変わります。その小さな何かが、大きな波になって、全体の職場環境の改善に、延いては「すぐスタッフが辞める歯科医院」脱却につながっていくのです。
一人では難しいことも、誰かに頼れば簡単にできることもあります。デンタルHR総研は、採用代行という側面から貴医院のお悩みの解決に助力いたします。ぜひ一度、デンタルHR総研にご連絡ください。
この記事を書いた人
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