歯科衛生士採用では「休みと時間」が重要|応募を増やすための働き方改善ポイント
2026.07.15
歯科衛生士の採用力を高めるために、勤務時間や休診日の見直しを検討している歯科医院も多いのではないでしょうか。給与を上げる方法だけでなく、「休み」と「時間」を充実させることも、応募を増やすための重要な取り組みです。
この記事では、診療時間や休憩時間、休日制度を見直し、患者様への対応とスタッフの働きやすさを両立させる方法について解説します。
歯科衛生士の採用ではコスパより「タイパ」が重視されている
現代の歯科衛生士が勤務先を選ぶ際は、給与などの金銭的な条件だけでなく、どのくらい休めるか、何時に帰宅できるかといった「休み」と「時間」が重視されています。
特に、残業や遅い時間までの勤務に対して否定的な考えを持つ人が増えており、勤務時間が19時30分を超える歯科医院は、採用面で不利になりがちです。
給与を高くするだけでなく、限られた時間を有効に使える勤務環境を整えることが、歯科衛生士から選ばれる医院になるためのポイントです。
歯科衛生士から選ばれる医院になる働き方改善施策4選

歯科衛生士の採用力を高めるためには、現在の診療体制を維持することだけを優先するのではなく、スタッフが無理なく働ける環境を考える必要があります。
具体的な方法として、次の4つが挙げられます。
- 休診日や診療終了時間を調整する
- 休憩時間を短縮して退勤時間を早める
- 祝日の振替診療を廃止する
- スタッフの休日をシフトで調整する
それぞれの取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
1.休診日や診療終了時間を調整する
歯科衛生士の採用力を高める方法の一つが、休診日や診療終了時間の調整です。
遅い時間まで診療を行うことは、仕事帰りに通院したい患者様にとって便利である一方、スタッフの退勤時間が遅くなる原因にもなります。さらに、夕方以降は残業などによる急なキャンセルが発生しやすく、昼間より予約が不安定になる傾向があります。
患者様との信頼関係が築けていれば、診療終了時間を早めても、週末に来院するなど柔軟に対応してもらえることも少なくありません。
段階的な導入から始める
休診日や診療時間の変更に不安がある場合は、すべての曜日を一度に変更する必要はありません。
例えば、最初は土曜日だけ診療終了時間を1〜2時間早めるなど、段階的に導入する方法があります。土曜日を有効に活用したい求職者にとって、早い時間に退勤できる勤務条件は魅力的です。
診療時間を短くすると、売上や患者満足度への影響を心配するかもしれません。しかし、診療時間を短縮しても、売上や患者満足度に顕著な悪影響が出るとは限りません。少数の患者様のニーズだけを優先して労働環境を悪化させるのではなく、経営状況を確認しながら変更を検討することが大切です。
2.休憩時間を短縮して退勤時間を早める
昼休憩を長く設定している歯科医院では、休憩時間を短縮し、その分だけ退勤時間を早める方法もあります。
例えば、勤務時間が9時〜13時、15時〜19時の場合、昼休憩は2時間あります。この休憩を1時間に短縮し、午後の勤務を14時〜18時に変更すれば、実働時間を大きく変えずに退勤時間を1時間早められます。
昼休みに一度帰宅して家事をしたいスタッフを除けば、拘束時間が短くなることで、多くのスタッフにとって働きやすい環境になります。
実際に休憩時間を短縮した歯科医院の事例
診療時間と休憩時間を大きく見直し、採用につなげた歯科医院の事例もあります。
ある歯科医院では、診療時間を8時〜16時30分、スタッフの勤務時間を7時45分〜16時45分とし、休憩時間を1時間に設定しました。その結果、半年間で70人もの歯科衛生士から応募がありました。
夕方から来院する患者様への対応を考えると、午後の診療時間を早めることに抵抗を感じるかもしれません。しかし、高齢化が進むなかでは、昼間の診療にも十分な需要が見込まれます。院長の考えや患者様のニーズを尊重しながら、スタッフが早く退勤できる診療体制を検討することが重要です。
3.祝日の振替診療を廃止する
休日に関する条件のなかでも、歯科衛生士から特に人気が高いのが「祝日の振替診療なし」です。
以前は、祝日がある週に休診日を診療日へ変更する歯科医院も多くありました。しかし、現在は振替診療を行わない医院が増えています。一般企業では、祝日による振替出勤の習慣がないため、歯科医院の休日制度も一般企業に近づいていると考えられます。
振替診療を廃止すると医院の稼働日数は減少しますが、休日を重視する求職者に対して強い採用条件を提示できます。
振替出勤の有無でどう変わる?
祝日の振替診療を行うかどうかは、スタッフの年間休日数に大きく影響します。祝日のある週に通常の休診日を診療日に変更すると、祝日があっても実質的な休日数は増えません。
一方、振替診療を行わなければ、祝日をそのまま休日として過ごせます。振替出勤の有無によって、年間でほぼ1か月分の休みの差が生じることもあるため、「祝日の振替診療なし」が歯科衛生士から支持されるのも自然なことといえるでしょう。
現在、振替診療を行っている医院では、廃止によって稼働日数が減るため、慎重に検討する必要があります。ただし、休みを重視する歯科衛生士への訴求力を高め、採用力を向上させる方法として、見直す価値はあるでしょう。
4.スタッフの休日をシフトで調整する
医院全体の休診日や診療時間を変更することが難しい場合は、スタッフの休日をシフトで調整する方法があります。
例えば、医院は週6日の診療を続けながら、スタッフは週4日勤務の週休3日制にする方法です。医院の診療日数を減らさずに、スタッフの休日を増やせる点が特徴です。
患者様が来院できる曜日を確保しながら、歯科衛生士がゆとりを持って働ける環境をつくれるため、患者様への対応と採用力の両立を図りやすくなります。
働きやすさがもたらす効果
週休3日制やシフト制によって働きやすい環境を整えることは、応募者を増やすだけでなく、現在働いているスタッフにも良い影響を与えます。
休日が増えて心身に余裕が生まれれば、スタッフのストレス軽減やモチベーションの維持につながります。無理なく勤務を続けられる環境になることで、退職率の低下も期待できるでしょう。
また、スタッフ数が増えれば、一人が退職した場合の影響も小さくなります。少人数に依存する体制を避け、複数のスタッフで業務を支えることが、安定した医院運営につながります。
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週休3日制やシフト制を導入するときの注意点

週休3日制やシフト制は、歯科衛生士にとって魅力的な勤務条件ですが、休日だけを増やせばよいわけではありません。医院の診療体制を維持しながら、特定のスタッフに負担が集中しないように制度を設計する必要があります。
導入時には、次の点に注意しましょう。
スタッフ数を増やす前提で制度を設計する
医院の診療日数を維持したまま、スタッフを週4日勤務にする場合は、スタッフ数を増やすことが前提となります。
現在と同じ人数のまま一人ひとりの勤務日数だけを減らすと、診療日に必要な人員を確保できなくなる可能性があります。そのため、採用活動によってスタッフ数を増やし、複数人で勤務日を分担できる体制を整えなければなりません。
なお、勤務日数やスタッフ数を変更することで、給与の調整が必要になる場合もあります。医院の経営状況や必要な人員を踏まえ、無理のない制度を設計することが大切です。
少人数に負担が集中しない体制をつくる
スタッフの休日を増やす際は、出勤している少人数のスタッフに負担が集中しないよう注意が必要です。
限られた人数で診療を続けようとすると、一人あたりの業務量が増え、ストレスや疲労の原因になります。休日が増えても、出勤日の負担が過度に大きくなれば、働きやすい環境とはいえません。
少数のスタッフに多くの業務を任せるのではなく、ゆとりのある働き方ができるスタッフを複数確保することが重要です。人数に余裕があれば、急な欠勤や退職が発生した場合にも対応しやすくなります。
早番・遅番など複雑な勤務形態は慎重に考える
診療時間を維持する方法として、早番と遅番を設け、日によってスタッフの勤務時間を変える方法も考えられます。しかし、複雑な勤務形態は慎重に検討しましょう。
日によって出勤時間や退勤時間が異なると、スタッフは予定を立てにくくなります。また、医院側の都合が強く反映されたシフトになりやすく、求職者にとってのメリットが少なくなる可能性があります。
制度を複雑にするよりも、勤務する曜日や時間をできるだけ明確にし、スタッフが生活の予定を立てやすい働き方を整えることが重要です。
まとめ|歯科衛生士採用では「休みと時間」を軸に働き方を見直そう
歯科衛生士の採用力を高めるには、給与だけでなく、「休み」と「時間」を重視した勤務環境を整えることが大切です。
休診日や診療終了時間の調整、休憩時間の短縮、祝日の振替診療の廃止、シフトによる週休3日制など、医院の状況に応じて選べる方法があります。
すべての制度を一度に変更する必要はありません。土曜日だけ診療時間を短くするなど、段階的に始める方法もあります。患者様のニーズとスタッフの働きやすさのバランスを考えながら、歯科衛生士から選ばれる勤務環境をつくりましょう。
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