【医院向け】歯科衛生士の採用方法徹底攻略!「人材紹介編」

2022.05.09

こんにちは、土屋です。

「貴院におすすめしたい衛生士がいます!」人材紹介会社から医院宛に次々と送られてくるFAX。
興味があって問い合わせしても、まったく紹介がない。

こんな経験をしている医院も多いのではないでしょうか。

この記事ではそんな人材紹介サービスの活用法についてわかりやすく解説します。
人材紹介事業の責任者を長年経験してきた筆者の経験と知識も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

歯科衛生士の採用方法「人材紹介」徹底攻略!

人材紹介会社をうまく活用できていますか?というのも、人材紹介会社(エージェント)は求人を依頼すれば自動的にいい人材を紹介してもらえると思ったら実は大間違いなのです。

人材紹介会社を徹底活用するには、ノウハウが必要で、このノウハウはあまり世に出ていないのと、情報のほとんどは一般企業向けのもので、歯科医院向けの情報はほとんど出ていません。

だからこそ、人材紹介事業の責任者を長年経験し、歯科衛生士を5年で500名以上採用してきた私のノウハウをご紹介します。

人材紹介(エージェント)の仕組み

人材紹介会社は、求人している「医院」と「求職者」をマッチングするサービスを提供する事業者のことを指します。人材紹介事業をするには、厚生労働省からの許認可が必要であり、法律上は「有料職業紹介業」という表現が使われます。

人材紹介サービスの仕組み(図解)

医院と求職者を結びつける仕組みとしてはグッピーやとらばーゆなどの求人広告と同様ですが、求人広告は【掲載料】で前払いなのに対し、人材紹介は成功報酬型で採用できたら【紹介料】を支払うという仕組みです。採用が出来なければ、紹介料が発生しないためコスト面のリスクが少ないという特徴があります。

その代わり、入職が決まれば採用する方の理論年収(*)の約20%〜30%程度の紹介手数料がかかります。
*理論年収とは、採用する方の(月給+手当)✕12ヶ月+想定される賞与・その他手当を指す。

例えば、年収400万円の衛生士を採用して、紹介手数料が30%であれば紹介料は120万円となります。

この金額は安くありませんが、求人広告を出して管理する手間や採用できないリスクと天秤にかけると、「お金をかけてでも確実に採用できるなら」と人材紹介会社を活用している医院は多く存在します。

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歯科業界向け主な人材紹介サービス

日本のおける有料職業紹介事業所数は2万件を超えていますが、歯科衛生士特化型の人材紹介会社で代表的なサービスは以下の3つのみです。

  • ファーストナビ
  • デンタルワーカー
  • シカカラ

ではこの3サービスの内、どのサービスが良いのか。

結論、どこでも同じです。

なぜなら、規模感、集客方法、オペレーションなどのやり方がほぼ同じだからです。紹介料や退職後の返金規程など多少の違いはありますが、採用するまで無料なので、採用に困っている場合は3社同時に声を掛けるのがオススメです。

歯科衛生士専門「人材紹介」、活用ノウハウ5選

まず一般企業向け人材紹介と歯科衛生士専門人材紹介との大まかな違いをご説明します。

一般企業向け人材紹介

1.サービス取り扱い範囲
総合型と特化型に分かれる。総合型は幅広い案件を扱い、特化型は業種・業界やターゲットに特化。

2.担当者の業務範囲
片手型と両手型に分かれる。片手型は営業(対企業)とキャリアアドバイザー(対求職者)を別々の担当が行う分業制であるのに対して両手型は営業とキャリアアドバイザーを1人で担当する。

3.営業活動
企業に訪問し、ニーズや課題を営業マンがヒアリング。求人票は担当者が作成するケースがほとんど。

4.キャリアカウンセリング
求職者と対面でキャリアカウンセリングを実施。職務経歴や本人希望などヒアリングしキャリアアドバイザーが情報登録するケースがほとんど。

5.マッチング方法
登録者専用ホームページを使ってキャリアアドバイザーが調整。求職者が選考を希望する企業へ人材を紹介する。

歯科衛生士専門人材紹介

1.サービス取り扱い範囲
歯科衛生士に特化。しかし歯科業界出身者は少ない。

2.担当者の業務範囲
両手型で、一人の担当者が歯科医院対応と求職者対応の両方を行う。

3.営業活動
医院が作成する求人票をそのまま利用するケースがほとんど。

4.キャリアカウンセリング
電話またはLINEを使い、遠隔でヒアリングするケースがほとんど。

5.マッチング方法
求職者が希望する勤務地付近で求職者が望む就業条件にマッチする医院をいくつかピックアップして紹介する。希望する医院が見つからない場合、登録者の希望勤務地エリアの歯科医院にFAXDMを送る。反響があった医院を求職者に紹介し、求職者が興味を持った医院へ人材を紹介する。

これらの違いを把握しておけば、おのずと攻略法も見えてきます。

歯科衛生士専門「人材紹介」攻略ノウハウ【1】担当者との人間関係を構築する

企業向け大手人材紹介会社と違い、歯科衛生士専門人材紹介は、担当者が求職者に求人を紹介する際、かなり属人的にマッチングしています。おすすめ医院について個別に語ったりする場合は、その担当者の経験や勘、また院長の人柄がイイ!などの基準でその医院を選んでいるケースが多くあります。

つまり、担当者がおすすめしてくる医院になれば良いのです。

もちろん担当者もプロですから、単に「仲がいい」だけで紹介することはありませんが、逆に全く知らない医院を「オススメ」とすることもありません。

歯科衛生士が人材紹介を使う場合、実は「自分でもどんな医院が合うのかわからない」と担当者を頼って助言して欲しいという方も多く、特にそういった場合は担当者との日頃のリレーションが生きてきます。

逆に、属人性が高い分、「業者扱い」して上から目線で対応していると、あの医院はオススメできませんとマイナス評価になってしまいますのでご注意ください。

歯科衛生士専門「人材紹介」攻略ノウハウ【2】書類選考で落とさない

紹介いただいた人材を書類選考で落とすのは禁物です。

そもそも紹介した人材を書類の段階で落としてしまっては、紹介の基準が高まり、そもそも「あそこの医院は基準が高くて決まらない」ということで非注力扱いされるようになってしまいます。ましてや、オススメしてくれることはなくなってしまいます。

その理由は2つあります。
1.担当者が求職者から「この担当者は使えない」と評価されてしまい継続的な関係が築けなくなる。
2.担当者は売上目標を持っており、その達成度によって自分の評価が決まるため、なるべく採用が決まりやすい医院に紹介したい。

そういった意味では、ノウハウ1とも繋がりますが、人材紹介会社と付き合うには、単に求職者だけを判断するのではなく、その背後にいる担当者の気持ちにもしっかり寄り添っていくことが大切です。

歯科衛生士専門「人材紹介」攻略ノウハウ【3】人材紹介会社への逆アプローチ

求人をお願いしてただ待っているだけでは優先的に紹介いただくことは見込めません。ノウハウ2で挙げたように、担当者はなるべくなら採用が決まりやすい(採用ニーズが高い)医院に優先的に人材を紹介するからです。

したがって自ら優先度を挙げてもらうアプローチが必要です。

採用で困っているのあれば、こちらから担当者に連絡して「困っている」旨を伝えると、優先的に動いてくれる可能性が高まります。

またその際には、人材の基準を少し広げてみるというのも有効です。例えば、本当は常勤DHが欲しいけど週3以上働ければ非常勤DHもOKにする、などです。

裏技ですが、担当者の上司にあたる人に挨拶するというのも非常に効果的です。

歯科衛生士専門「人材紹介」攻略ノウハウ【4】担当者の質に左右されない求人票作り

一般企業向け人材紹介の場合、求人票はその紹介会社の担当者または専属のライターが作成します。

歯科衛生士専門人材紹介の場合、求人票は歯科医院から提出されたものをそのまま使うか、グッピーなど求人媒体を参考にして担当者が作成します。

そのため、医院側の求人票作成能力に依存してしまうのです。また、歯科業界出身の担当者は少ないので、業界に属している人間だからこそわかるツボみたいなものをうまく求職者にアピールできないケースもあります。

だからこそ、求人票に盛り込める情報をしっかり作り込む必要があります。最低限必要なところだけ記入して提出するのではなく、応募者に魅力が伝わるようにしっかり時間をかけて作り込みましょう。

歯科衛生士専門「人材紹介」攻略ノウハウ【5】ミスマッチを防ぐ選考プロセスを設計する

歯科衛生士専門人材紹介会社は自ら医院に訪問しませんし、求職者とも実際に会って話をすることは基本ありません。つまり、会ったことのない、知らない人同士を遠隔でマッチングしているのです。

すると、どういうことが起るか?「聞いていた話と違う」「思っていたのと違う」ということが起こりやすいのです。私の経験上、人材紹介経由で採用した歯科衛生士の早期退職率は非常に高いという印象です。
しかしそれは人材紹介会社の責任ではありません。

医院側がその前提を踏まえた選考プロセスを設計することが重要です。具体的には、通常よりもより慎重に選考および条件提示することが必要です。例えば、採用決定後には必ず条件通知書や雇用契約書の読み合わせを行ったり、採用内定後に一度来院してもらって既存スタッフと面談してもらうなど、なんらかミスマッチを減らす工夫は必要です。特に、仕事内容や人間関係について聞いていた話と違うということが多いので、必ず事前にすり合わせしましょう。

紹介手数料も高額なので、採用決定とその後の対応は慎重に行う、これが鉄則です。

人材紹介利用7つのデメリット

人材紹介サービスには、メリットが多い反面、医院として注意しておかなければいけない点もあります。

  • デメリット1:一人当たりの採用費用が他の採用手法に比べて高額になる場合がある。
  • デメリット2:自医院に魅力がない、またはアピールポイントがわからないと紹介されにくい。
  • デメリット3:一度に複数医院を同時に紹介することも多いため、紹介から採用までの歩留まりが悪い場合がある(見学・面接をしても最終的に選ばれない)
  • デメリット4:自院のためだけに動いてくれるわけではないので、医院側からの積極的なアプローチがしにくい
  • デメリット5:早期退職、ミスマッチのリスクヘッジ施策を別途用意した方がいい
  • デメリット6:採用活動にまつわるノウハウが医院に蓄積されない
  • デメリット7:大都市圏以外での採用に対応していない場合がある

採用代行サービスの活用も視野に

人材紹介からの紹介は欠かせないもの、課題を感じている医院の間で「採用代行サービス」を活用するケースが増えています。デンタルHR総研では、「待ちの採用」ではなく「攻めの採用」として医院の採用を丸投げできる採用代行サービスを提供しています。ニーズにあわせた3つの料金プランを設け、どのプランを選択した場合も、人材紹介よりもリーズナブルな設定となっています。ご興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。

まとめ

  • 人材紹介はただ待っているだけではだめで、ノウハウが必要
  • 人材紹介は医院と求職者をマッチングするサービスで、求人広告との大きな違いは「採用に対する成功報酬」であること
  • 歯科衛生士の紹介料の相場は理論年収の20〜30%。年収400万だと80万〜120万円程度
  • 歯科業界専門の主な人材紹介サービスは、ファーストナビ、デンタルワーカー、シカカラの3つ
  • どのサービスも内容はほぼ変わらないので、3社とも利用するのが良い
  • 歯科衛生士専門人材紹介の活用ノウハウは以下の5つ
  • 1.担当者との人間関係を構築する
  • 2.書類選考で落とさない
  • 3.人材紹介会社への逆アプローチ
  • 4.担当者の質に左右されない求人票作り
  • 5.ミスマッチを防ぐ選考プロセスを設計する
  • 人材紹介利用には多くのデメリットもある
  • 採用代行サービスの活用も視野に

以上、歯科衛生士の採用方法徹底攻略「人材紹介編」として、人材紹介活用のノウハウやメリット・デメリットなどをお伝えしてきました。

採用で困ったことがあればいつでもお気軽にご連絡ください。一緒によい採用を成功させましょう!

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