【大阪の医院向け】歯科衛生士の「採用」徹底攻略!

2022.04.14

こんにちは、土屋です。

2016年から5年で500名以上の歯科衛生士を採用してきました。歯科衛生士の離職率は30%以上と言われている中、私が採用した方の離職率は9.6%です。

この記事では、そんな私の経験をもとに、「大阪府における歯科衛生士の採用攻略法」を紹介していきます。

大阪は歯科衛生士の採用難易度「全国1位」

まずは下の表をご覧ください。

・歯科診療所の数 厚生労働省 医療施設動態調査(2019年1月末概数)
・歯科衛生士の数 厚生労働省 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(2018年末概数)
・図表は上記の数字を元に「デンタルHR総研株式会社」が作成しました。

大阪府の歯科診療所数あたり就業歯科衛生士数は1.5人で、東京に次いで全国ワースト第2位となっています。全国平均の1.9人と比較して26%少なく、1医院に対する歯科衛生士の数が少ないということは、それだけ採用の難易度も高い地域だと言えます。

さらに大阪は、採用を難しくする大阪特有の要素があるため、実質的な採用難易度全国第1位は大阪であると考えています。

大阪の歯科衛生士求人は「梅田1強」

その要素とは、希望勤務地の人気が「梅田」に集中しすぎていることです。

こちらのデータをご覧ください。

働きたい街(最寄り駅)ランキング2018【大阪】

梅田・大阪 765点
なんば・難波・大阪難波 146点
天王寺 43点
本町 40点
淀屋橋 33点
豊中 28点

梅田・大阪で働いてみたい理由TOP5
1.交通の便が良いから 73.9%
2.飲食店が充実しているから 33.1%
3.アフター5(就業後)が充実できそうだから 31.8%
4.商業施設が充実しているから 30.1%
5.活気があるから 26.6%

ビジネスパーソン15,000人に、「もし自由に選べるなら、どの街で働きたいか?」を調査(2018年 doda調べ)

ご覧の通り、大阪府のビジネスパーソンの73%が「梅田・大阪」で働きたいと回答しています。こちらはビジネスパーソン全域向け調査ですが、私が歯科衛生士と話した感触としても同等かそれ以上であるように感じています。

一方、求人サイト「グッピー」の歯科衛生士求人情報を確認すると

大阪府全体に占める梅田・大阪エリアの求人比率は13%(2022年4月時点)しかりません。

以上のことから、大阪府の歯科衛生士採用の傾向は下記のようだと想定されます。

大阪府の歯科衛生士の採用難易度は勤務地によって大きく異なる。
・ 梅田・大阪エリアの採用難易度は「普通」で
・ 梅田・大阪エリア以外の採用難易度は「超高い」

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大阪で歯科衛生士採用を成功させるための5つの方法

そんな大阪では、どのように歯科衛生士採用していくのが効果的なのか。私が考える方法は以下の5つです。

1.地域ならではの強みを打ち出す

なぜ梅田に人気が集まるのか?それは上で挙げた「働きたい理由TOP5」もありますが、それ以外に「梅田しか知らない、行ったことがないから」などなんとなくのイメージで決めている人も多い印象です。

逆にいうとそれ以外の地域は「知らないから、イメージできないから」選ばれないということです。
従ってまずはその地域の良さをアピールしてきちんと知ってもらうことが大事になります。

  • 無料駐車場があり、車通勤できる
    → 梅田で車を持つのは難しい
  • 大きな公園があり、緑豊かで過ごしやすい
    → 都会派ばかりとは限りません
  • 家賃が安いわりに、都心部までのアクセスが良く、余裕のある生活ができる
    → 自由に使えるお金が増えるのは大きい
  • 近くにアウトレットや大型商業施設が立ち並び、充実した生活が送れる
    → 主婦や家庭がある人に興味をもってもらうことも効果的です
  • 野球場やサッカースタジアムの近くで、スポーツ観戦好きにはもってこい
    → スポーツ観戦が趣味という女性は多いです
  • テーマパークやレジャースポットの近くで、休みの日はおもっきりエンジョイできる
    → 例えば、ユニバが好きという理由で大阪に引っ越すDHもいました

など、その地域の良さを打ち出していくことが大切です。

2.住宅手当を充実させる

住宅手当は、歯科衛生士にとても人気の福利厚生です。

関西エリア内からはもちろん、中国・四国エリアから大阪への就職を希望する方は多くいます。さらに、コロナの影響で、東京や関東での就職を希望していた方が、なるべく実家の近くにといって希望就職先を大阪に切り替えるケースが私の周りでも増えています。

この時、「住宅手当」があるかないかで、採用の成功率が大きく変わります。

住宅手当の相場はスバリ2万円です。

家賃6万円のマンション・アパートに4万円で住めるという感覚です。一人暮らしの方に対して大きなアドバンテージとなります。
また、住宅手当の効果は実質的な金銭面への影響だけではなく、「医院が生活をサポートしてくれている」という安心感にも繋がります。

例えば、

A)給与28万円、住宅手当なし
B)給与26万円、住宅手当1.5万円

という条件では、新卒であれば(B)を選ぶ人も少なくありません。トータルの額面は低くなるのにです。#中途は現実的なのでAです笑

手取りが増えるよりも、「住宅手当が支給してくれている」ということ自体が重要なのです。

3.京都・神戸を味方につける

上で挙げた「働きたい街(駅)ランキング」は大阪府に限定していましたが、【関西】という括りで見ると下記のようになります。

働きたい街(最寄り駅)ランキング2018【関西】

梅田・大阪 765点
京都 332点
三宮・神戸三ノ宮 235点
神戸 164点
なんば・難波・大阪難波 146点
ビジネスパーソン15,000人に、「もし自由に選べるなら、どの街で働きたいか?」を調査(2018年 doda調べ)

前項で関西エリア外から大阪に来る人が多いという話をしました。実はその時、大阪と一緒に検討されるのが、神戸・三宮と京都です。
神戸・三宮は単純に「中四国へのアクセスが良いので実家に帰りやすい」のと、大阪までも足を伸ばせるという理由で人気です。京都は、「京都が好き、憧れがある」ということと、大阪までも足を伸ばしやすいという理由で人気です。

従って、大阪の西側の医院は「大阪へも神戸にもどちらにもアクセスしやすい」、北東寄りの医院は「大阪へも京都にもどちらにもアクセスしやすい」というのがウリになります。実際にこのメッセージによって何人もの歯科衛生士を採用してきましたので確かです。

4.社宅を検討する

住宅補助関連でもう一つオススメなのが、社宅の導入です。

正確には「借り上げ社宅制度」といい、いくつかのデメリットはありますが、求人では大きなアピールポイントになりますし、早期退職抑制の効果もあります。

借り上げ社宅とは

借り上げ社宅とは、医院が不動産事業主や業者から賃貸住居を借り、スタッフに貸し出す住居のことです。一般企業では社員満足度の高い福利厚生制度としての認識も高まっていますが、歯科医院で導入しているところはまだ多くありません。

住宅手当とは違い、家賃に関する大家さんや仲介業者とのお金のやり取りや、スタッフからの家賃の徴収などは、医院が行っていくことになります。

■スタッフ側のメリット

  • 入職時に住宅を探す必要がなく、引っ越しの負担が軽減される
  • 賃貸契約手続きや家賃支払い処理も不要になる
  • 不動産仲介手数料や更新料など医院が負担してくれる場合がある
  • 給与から家賃が引かれれば、所得額が減るため節税につながる

■歯科医院側のメリット

  • 住宅手当がなくなることで医院の節税につながる(給与としての支給額が減らせるため)
  • スタッフからの家賃徴収によって医院収入が得られる(住宅手当の場合、給与への上乗せ+法人課税発生+スタッフも課税対象)
  • 福利厚生を充実させるための一策となり、求人の際にも大きなアピール材料となる
  • スタッフの税負担を軽減できることでスタッフ満足度が向上する
  • 医院のすぐ近くの家を借りることで、通勤手当を削減できて、スタッフの通勤ストレスを軽減できる
  • 退職すると引っ越ししないといけなくなるため、退職のリスクを減らせる

■医院側のデメリット

  • 住宅賃貸の契約手続き、支払い手続きの手間が発生する
  • 借りている部屋が空きになっても家賃が発生する
  • 解約時に違約金が発生するリスクがある

以上、医院側のデメリットもありますが、トラブルを発生させないためにも、大家さんや仲介業者と、退職した場合の取り決めなどをしっかりしておきましょう。診療所と契約している大家さんや不動産など関係性ができていて、融通が利くのが理想です。

また、スタッフとも双方でルールを取り決め、(例えば、入居時の不動産仲介手数料は医院が負担するが1年以内に退職した場合は退職月の給与から天引する。解約金や敷金・礼金などは退職月の給与から天引きするなど)あまり縛りがキツいのもよくありませんが、バランスよく制度化し、書面にて合意しておくことが重要です。

5.休みと時間で差別化を図る

歯科衛生士が就職先・職場選びで最も重視する条件のトップ3は「給与」「休日・時間」「勤務地」です。

条件面で他医院との差をつけようとする場合、勤務地は変えられないので、「給与」と「休日・時間」で差をつけるのが効果的です。
給与については、他記事で詳しく解説しているので、そちらを参照いただいて、ここでは「休日・時間」について触れていきます。

参考【2023年版】歯科衛生士が採用できない1番の理由【給料・給与の話】

歯科衛生士の採用ができない理由はなんだと思いますか?
この記事では「歯科衛生士が採用できない1番の理由」と「採用するための対策」について解説しています。
歯科衛生士の求人でお悩みの歯科医院必見です。

続きを見る

梅田・大阪エリアは場所柄、仕事終わりのビジネスマンや審美系の患者さん多く、土日診療や、平日も夜が遅くなりがちです。従って、郊外や住宅地に医院を構えている場合は、「休日・時間」を調整することで差別化を図れます。

■休日について

  • 日・祝休みは必須(友達やパートナーと休みを合わせたいからです)
  • 土曜はできれば半日勤務(〃)
  • +平日1日休みで週休2.5日ができるとベストです。
  • また祝日の振替出勤(祝日休みの代わりに元々の休みに日に出勤する)無しも、とても人気条件となっています。

■時間について

  • 圧倒的に人気なのは18時台終業です。18:30終業→18:00終業と時間が早くなるにつれて応募とスタッフ満足度は増します。
  • 逆に19:00を超えると一気に応募は少なくなります。

この「休日・時間」を調整することで、他医院と差別化できます。曜日や時間を変えることで既存の患者さんに迷惑をかけてしまうということや、医院の経営状況、診療ポリシーにもよりますので慎重に検討ください。しかし、採用とスタッフ満足度向上のために終業時間を早めた医院で、そのことを後悔している院長は、私が知る限り一人もおりません。

それでもやはりビジョンとやりがいが1番大事

これまでは条件面を中心に解説してきましたが、条件を上げなくても採用できている医院もあるのは事実です。

ポイントはなにか?それは「医院のビジョンと仕事のやりがい」です。

ビジョンとは「実現したい未来」。言うなれば、医院のみんなが共通で認識する「行き先」です。
医院として目指すべき行き先が存在しないと、組織は変化せず硬直化し、最悪の場合は社会適合性を失ってしまうこともあります。
一方、進むべき方向がしっかりと示されてさえいれば、組織は柔軟に変化し医院はどんどん発展していけます。

このビジョンに共感できて、そこに向かっている実感が持てれば、スタッフはついてくるのです。

そしてそのビジョンの中に、スタッフのキャリアビジョンも盛り込むようにする。
「自医院のスタッフにどういった仕事のやりがいとキャリアを提供できるか」そういった考え方がベースにないと良い人材は採用できませんし、採用してもすぐに辞めてしまいます。

最終的に良い人材が採用できるか、定着するかというのは、そこが1番大事だといっても過言ではありません。

デンタルHR総研では「こんなサポート」ができます。

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興味のある方はお気軽にご相談ください。

まとめ

  • 大阪は歯科衛生士の採用難易度が全国1位
  • 大阪の歯科衛生士求人は「梅田1強」
  • 大阪で歯科衛生士求人を成功させるためには以下の5つの方法が有効
  • 1.地域ならではの強みを打ち出す
  • 2.住宅手当を充実させる
  • 3.京都・神戸を味方につける
  • 4.社宅を検討する
  • 5.休みと時間で差別化を図る
  • それでもやはりビジョンとやりがいが1番大事

今回は、歯科衛生士採用の激戦区である大阪の採用攻略について説明してきました。

厳しいエリアですが、その分、いい人材を採用・定着させて患者様満足をあげていくことで、地域への貢献度も高くなります。採用で困ったときはいつでも協力いたしますので、いつでもご連絡ください。一緒にがんばっていきましょう!

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