ハローワークで歯科衛生士を効果的に求人する方法とは?

2024.10.25

近年、歯科衛生士不足が深刻化しています。歯科衛生士の有効求人倍率は非常に高く、多くの歯科医院で人材確保に苦労しているのが現状です。

このような状況の中、ハローワークは有効な求人手段の一つとして挙げられます。そこで、本記事では、ハローワークにおける歯科衛生士の求人について、メリット・デメリットを踏まえながら、効果的な活用方法を解説していきます。

歯科衛生士不足の実態

歯科衛生士は、歯科医師の指示のもと診療補助や歯のクリーニングなどを行う、国家資格を持つ専門職です。近年、需要の増加に対して供給が追いついておらず、歯科衛生士不足は深刻化しています。

歯科衛生士の有効求人倍率は、すべての職業の平均と比較して高い水準で推移しています。

一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会の資料によると、2023年4月の求人人数倍率は23.3倍という結果が出ていました。

 

就職者に対する求人件数倍率

13.6

就職者に対する求人人数倍率

23.3

志願者倍率=志願者数/入学定員

1.04

定員充足率=入学者数/入学定員×100

84.8%

志願者数が定員に満たない学校

52.2%

入学者が定員に満たない学校

68.0%

 

また、日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、歯科衛生士の4人のうち3人が転職経験者が占めているという結果が出ています。転職率が高く、定着率が低い職業であることから、歯科衛生士は慢性的な人手不足の状況です。

特に、出産や育児を機に離職する女性が多く、潜在的な歯科衛生士は多く存在すると考えられています。

 

歯科衛生士の採用にお悩みの方は以下の記事もぜひご覧ください。

歯科衛生士の雇用・採用はなぜ難しい?理由を知って採用を成功させよう

歯科衛生士が不足している理由や定着率を上げるポイントを解説

ハローワークで歯科衛生士を求人するメリット

ハローワークは厚生労働省が運営する公共職業安定所で、全国に設置されているため、多くの求職者が利用しています。歯科衛生士の求人を検討する際、ハローワークには以下のようなメリットがあります。

  • 求職者が多い
  • 再就職手当受給のためにハローワーク経由で就職を希望する求職者もいる
  • 費用を抑えられる
  • 求人票作成のサポート

これらのメリットを活かし、採用活動の効率化を図りましょう。

求職者が多い

ハローワークは全国に設置されており、幅広い年齢層の求職者が登録しています。歯科衛生士も例外ではなく、転職や復職、あるいは新卒採用など、さまざまな目的でハローワークを利用するケースは少なくありません。

ハローワークには、経験豊富なベテラン衛生士から、これから経験を積みたいと考えている若手衛生士まで、多様な人材に出会える可能性を秘めているという魅力があります。

再就職手当受給のためにハローワーク経由で就職を希望する求職者もいる

ハローワークに掲載された求人情報に応募してくる方の中には、雇用保険の「再就職手当」の受給を希望しているケースがあります。再就職手当とは、失業保険受給者が早期に再就職することを支援するために支給される手当です。

再就職手当を受給するには、求職者は一定の条件を満たしている必要があります。具体的には、特定受給資格者や特定理由離職者に該当し、雇用保険の受給資格の決定を受けていること、ハローワークに求職の申し込みをし、積極的に求職活動を行っていることなどが挙げられます。これらの条件を満たしている求職者は、再就職に向けて積極的に活動しているため、採用側にとっても安心材料になりえると言えるでしょう。

費用を抑えられる

ハローワークは国の機関のため、求人掲載や紹介にかかる費用は無料です。求人広告費は採用コストの中でも大きな割合を占めるため、費用を抑えられる点は大きなメリットと言えるでしょう。

特に、新規開業するクリニックや従業員規模の小さいクリニックなどにとっては、採用コストを抑制する上で効果的です。また、複数の媒体で求人募集を行いたい場合にも有効です。

求人票作成のサポート

ハローワークでは、効果的な求人票の作成に関して、担当職員によるサポートを受けることができます。例えば、求人票の記載項目に関する説明や、効果的な書き方についてアドバイスをもらえます。また、求人票作成に関する基礎知識や、具体的な作成方法を学ぶことができるセミナーも開催されています。

これらのサポートを受けることで、より効果的に歯科衛生士の求人活動を行うことが期待できます。初めてハローワークで求人を行う場合や、求人票の作成に不安がある場合は、積極的に活用してみましょう。

参加を検討されている方は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考に、有意義な時間を過ごしてください。

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ハローワークで歯科衛生士を求人するデメリット

ハローワークは多くの求職者が利用する反面、歯科衛生士の求人においては、いくつかのデメリットも存在します。

  • 他医院との差別化が難しい
  • 応募者のスクリーニングに時間がかかる
  • 若い世代へのリーチが弱い

これらのデメリットを踏まえ、ハローワークの特性を理解した上で活用することが重要です。それぞれのデメリットについても確認していきましょう。

他医院との差別化が難しい

ハローワークの求人票はフォーマットが決まっているため、記載できる情報量に限りがあり、他医院との差別化が難しいという側面があります。

例えば、「仕事の内容」欄には「歯科衛生士業務全般(診療補助、歯周病治療、予防処置、保健指導など)」、「必要な経験等」欄には「不問」といったように、簡潔な説明になってしまうことが多く、医院の雰囲気や特徴、力を入れている診療内容などを十分に伝えきれない可能性があります。

多くの求人情報の中から自院を選んでもらうためには、より詳細な情報や魅力が伝わるような工夫が求められます。

応募者のスクリーニングに時間がかかる

ハローワークは多くの求職者が利用するため、歯科衛生士の募集を掲載すると、採用担当者は届いた応募書類をすべて確認し、面接を行うかどうかを判断する必要があります。

しかし、応募者の中には、経験、資格、希望勤務時間などが医院側の採用基準に満たない応募者も含まれている可能性もあるでしょう。

そのため、採用担当者は、多数の応募書類の中から、自院の採用基準に合致する人材を慎重に見極める必要があり、スクリーニング(ふるい分け)に多くの時間を要する可能性があります。

若い世代へのリーチが弱い

ハローワークは、幅広い年齢層の求職者が利用するものの、インターネットやスマートフォンに慣れ親しんでいる若い世代へのリーチという点では、求人情報サイトと比較すると弱いです。そのため、若い世代の歯科衛生士を採用ターゲットにするのであれば、ハローワークだけに頼らずに、インターネット求人サイトも併用するなどの工夫が必要です。

ハローワークで歯科衛生士求人を成功させるには

ハローワークの求人票

ハローワークで数多くの求人情報が掲載されている中、自院の求人情報を効果的にアピールし、応募につなげるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

  • 応募条件を適切に設定する
  • 早めの対応と柔軟な面接日程
  • 相談窓口の活用

以上のポイントについて詳しく見ていきましょう。

応募条件を適切に設定する

応募条件は、採用活動の最初のスクリーニングであり、応募者の母数を左右する重要な要素です。必要以上に条件を高く設定してしまうと、応募者が集まりにくくなってしまいます。

自院に必要なスキルや経験を洗い出し、応募条件を検討しましょう。

まず、歯科衛生士免許を必須条件として設定します。実務経験は必須条件とするか、歓迎条件とするかは、応募状況や採用目標などを考慮して決定しましょう。さらに、特定の診療科目に関する経験者を優遇する場合は、その旨を明記することで、より専門性の高い人材からの応募も見込めます。

早めの対応と柔軟な面接日程

ハローワークを通して応募があった場合は、なるべく早く連絡を取り、面接の日程調整を行うようにしましょう。応募者は複数の求人を見ている場合があり、対応が遅いと他の医院を選んでしまう可能性があります。また、応募者の都合に合わせて柔軟に面接日時を設定することも大切です。

特に、転職活動中の場合は、現在の仕事との兼ね合いで、平日の日中に面接時間を確保することが難しいケースもあるでしょう。

  • 土日祝日の面接
  • 夜間帯の面接
  • オンライン面接

上記のように、応募者の立場に立った柔軟な対応をすることで、採用率の向上だけでなく、医院の印象アップにもつながります。

相談窓口の活用

ハローワークには、求人に関する相談窓口が設置されています。歯科衛生士の採用に精通した担当者に相談することで、より効果的な求人票の作成や求人活動のアドバイスを受けることが可能です。

例えば、以下のような相談内容が考えられます。

相談内容

詳細

求人票の内容に関する相談

応募資格や給与、待遇など、より魅力的な求人票にするためのアドバイス

求人活動の進め方に関する相談

応募状況に応じた、効果的な求人活動の進め方についてのアドバイス

歯科衛生士の雇用状況に関する相談

地域の歯科衛生士の雇用状況や、求人条件の相場についての情報提供

助成金制度に関する相談

歯科衛生士の採用に活用できる助成金制度の紹介と、申請手続きのサポート

ハローワークの相談窓口は、無料で利用できます。担当者は、多くの求人案件や求職者とのやり取りを通して、豊富な知識と経験を積んでいます。そのため、採用活動に関する疑問や不安を解消するだけでなく、より効果的な採用活動につなげることが期待できるでしょう。積極的に活用することをおすすめします。

歯科衛生士の求人ならハローワーク以外の方法も有効

ハローワークは無料で利用できるというメリットがある一方、求人掲載の自由度が低く、他の医院との差別化が難しいという側面もあります。そこで、ハローワーク以外に以下のような求人方法も検討してみましょう。

  • 求人情報サイトへ掲載
  • クリニックのホームページ
  • 歯科業界に特化した採用代行サービス

それぞれの求人方法について詳しくご紹介します。

求人情報サイトへ掲載

ハローワーク以外にも、さまざまな求人情報サイトに求人情報を掲載することで、より多くの求職者の目に触れる機会を増やすことができます。歯科衛生士に特化した求人サイトも多く存在するため、専門性の高い人材を探しやすいというメリットがあります。

求人情報サイトによって掲載費用や掲載期間、掲載可能な情報量などは異なるため、複数のサイトを比較検討し、自院の採用ニーズに合ったサイトを選ぶことが重要です。

クリニックのホームページ

求人情報サイトやハローワークだけでなく、クリニックのホームページに求人情報を掲載することも効果的です。自院の雰囲気や魅力を自由にアピールできること、求職者も事前に医院のことをよく理解した上で応募できるため、ミスマッチを防げるというメリットがあります。一方で、ホームページを見てもらえるように、SEO対策などの工夫が必要という側面もあります。ホームページに掲載する求人情報では、写真や動画を効果的に活用して、医院の雰囲気を具体的に伝えられるように工夫しましょう。また、院長の治療方針や、スタッフインタビューなども掲載することで、求職者の安心感にもつながります。

歯科業界に特化した採用代行サービス

歯科業界に特化した採用代行サービスを利用するのも有効な手段です。採用代行サービスとは、企業に代わって採用活動を代行するサービスです。採用業務の負担軽減や、より質の高い人材確保を目指すことができるでしょう。

歯科衛生士専門の採用代行サービスの場合、転職を考えている潜在保育士の情報を多く保有している、求人広告の作成や応募者との連絡などを代行してもらえるなどのメリットがあります。

歯科採用にお悩みならデンタルHR総研

デンタルHR総研

ハローワークを活用してもなかなか採用に結びつかず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。歯科衛生士の採用は、専門性の高さ故に、独自のノウハウが求められます。

そこで最後に「デンタルHR総研」についてご紹介させていただきます。

デンタルHR総研は、歯科業界に特化した採用コンサルティング会社です。数多くの歯科医院の採用支援実績を持ち、独自のノウハウと充実したサポート体制で、貴院の採用活動を成功に導きます。

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まとめ

歯科衛生士の確保は、医院にとって重要な課題です。優秀な人材を採用するために、ハローワークの活用は有効な手段となりえるでしょう。しかし、ハローワークだけに頼るのではなく、状況に応じて求人情報サイトや採用代行サービスなどの他の方法も併用することで、より効果的に採用活動を進めることができます。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自院にとって最適な方法を検討しましょう。

デンタルHR総研では、貴院の採用活動をサポートいたします。以下のフォームからお問い合わせいただければ、2営業日以内に担当者よりご連絡を差し上げます。ぜひお気軽にご相談ください。

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