歯科衛生士の仕事はきつい?向いてない人の特徴も紹介
2024.08.14歯科衛生士は、患者さんの口腔の健康を守る大切な仕事です。しかし、その一方で「仕事がきつい」と感じる歯科衛生士も少なくありません。
歯科衛生士は離職率も高く、「実際にどんな面がきついの?」「働くのが不安」と感じる方もいるでしょう。
そこで本記事では、歯科衛生士の仕事が「きつい」と感じる理由を詳しく解説します。加えて、歯科衛生士に向いていない人の特徴についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
歯科衛生士の離職率は退職理由については以下の記事でも解説しています。歯科衛生士採用にお悩みの医院さまはぜひご覧ください。
『歯科衛生士の離職率が高い理由とは?定着率を高めるためには採用から見直すべき!』
『【医院向け】歯科衛生士のよくある退職理由を知って職場環境を整えよう』
歯科衛生士の仕事が「きつい」と感じる理由とは
前述しましたが、歯科衛生士の離職率は高く、日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると歯科衛生士のうちの約40%は現在の職場での勤務年数が5年未満と回答しています。なぜ離職率が高いかというと、以下のような理由が原因として挙げられます。
- 肉体的負担が大きい
- 精神的ストレスが高い
- 労働条件への不満
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
肉体的負担が大きい
歯科衛生士の仕事は、基本的に立ち仕事となります。患者さんの口腔内を処置する際は前屈みの姿勢を撮ることも多く、人によっては腰痛の原因となってしまうこともあるでしょう。
また、歯科治療は指先を細かく使う作業も多いため、仕事が終わると肩が痛くなってしまったり腕が疲れてしまう方もいるようです。
医療事務などのデスクワークと比較すると、肉体的負担の大きい仕事であるといえます。
精神的ストレスが高い
歯科衛生士の仕事は、患者とのコミュニケーションが非常に重要な役割を占めています。しかし、患者の中には、歯科治療に対する恐怖心や不安を抱えている方も少なくありません。そのような患者に対して、適切な説明や対応を行うことは、歯科衛生士にとって大きな精神的負担となることがあります。
また、歯科医院では、歯科医師や他の歯科衛生士、受付スタッフなど、多くの職種の方々と連携しながら業務を行う必要があります。そのため、スタッフ間の人間関係の悩みが生じることもあるようです。コミュニケーション不足や意見の相違などから、ストレスを感じることもあるでしょう。
さらに、歯科衛生士は、患者の口腔内の健康を守るという重大な責任を負っています。治療の補助ミスや、口腔内の状態の見落としなどは、患者の健康に直結する問題につながりかねません。そのようなプレッシャーから、精神的なストレスを感じる歯科衛生士も少なくないようです。
このように、歯科衛生士は、患者とのコミュニケーション、スタッフ間の人間関係、責任の重さなどから、精神的なストレスを感じやすい方も多いようです。
医院での人間関係を良くしたい、働きやすい環境にしたいとお考えの医院長さまは、以下の記事もぜひご覧ください。
『歯科衛生士は職場の人間関係で悩む?院長ができる人間関係を良くする方法』
労働条件への不満
日本歯科衛生士会の「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書」によると、常勤で年収「300万円以上400万円未満」が最も多くなっています。これは、ほかの医療職と比較しても低い水準にあります。また、歯科医院は営業時間が長いため、歯科衛生士の拘束時間も長くなりがちです。休憩時間が十分に取れないことや、時間外労働が多いことも不満の一因となっています。
さらに、歯科医院の人手不足や繁忙期の影響で、思うように休暇を取得できないケースが少なくありません。有給休暇の取得が難しいことも労働条件への不満につながっています。ワークライフバランスを重視する歯科衛生士にとって、この状況は大きなストレスとなるでしょう。
労働条件の改善には、給与の見直しや、労働時間の適正化、有給休暇の取得促進など、歯科医院の経営者側の理解と協力が求められます。働きやすい環境作りが、歯科衛生士の離職防止やモチベーション向上につながるでしょう。
歯科医療の現場では人手不足が慢性化しており、一人ひとりの歯科衛生士の業務量が増加傾向にあります。このような状況も、歯科衛生士の離職率を押し上げる一因となっています。
歯科衛生士の仕事が「きつい」と感じられる背景には、このような高い離職率の実態があることを理解しておくことが重要です。
歯科衛生士に向いていない人の特徴
歯科衛生士の仕事内容が「きつい」と感じる理由がわかったところで、次は歯科衛生士に向いていない人の特徴を見ていきましょう。
- コミュニケーションが苦手
- 忍耐力や体力がない
- 几帳面さや正確さに欠ける
- チームワークより個人プレーを好む
- 学び続ける意欲が乏しい
「自分には向いていないかもしれない」と不安に感じている方は参考にしてみてください。
コミュニケーションが苦手
歯科医院では、患者さんとのコミュニケーションが非常に重要です。口腔内の状態を説明したり、ブラッシング指導を行ったりと、患者さんと積極的にコミュニケーションを取る必要があります。そのため、コミュニケーションが苦手な人は、歯科衛生士の仕事にストレスを感じやすいでしょう。患者さんとの信頼関係を築くことが難しく、仕事のやりがいを感じにくい可能性があります。
歯科衛生士を目指す方は、自分のコミュニケーション能力を客観的に見つめ直してみることをおすすめします。
忍耐力や体力がない
歯科衛生士の仕事は、長時間の立ち仕事や細かい作業の連続など、肉体的な負担が大きいです。また、患者さんとのコミュニケーションや、医師・スタッフとの連携など、精神的にも忍耐力が求められます。これらの資質に自信がない方は、歯科衛生士という仕事に向いていない可能性があります。無理に続けると、心身の健康を損ねるリスクもあるため、注意が必要です。
几帳面さや正確さに欠ける
歯科衛生士の仕事は、口腔内の診療補助や予防処置など、細かい作業の積み重ねです。そのため、几帳面さや正確さに欠ける人は、歯科衛生士として働くのが難しいかもしれません。
例えば、器具の準備や片付けなどでミスが多く注意されがちだと、歯科衛生士として長く働き続けるのは難しいでしょう。
歯科医師の指示に正確に従い、患者の口腔内を細部まで観察し、適切な処置を行うことが求められる歯科衛生士にとって几帳面さと正確さは必須の資質と言えます。
チームワークより個人プレーを好む
歯科衛生士は、歯科医師や歯科助手などとチームを組んで業務を行います。そのため、コミュニケーションを図りながら、お互いの役割を理解し協力し合うことが不可欠です。
歯科医療の現場では、「個」の力量も大切ですが、それ以上に「チームの力」が重要視されています。歯科医師の指示に基づく処置や患者さんの情報共有、器具の受け渡しなどの連携プレーなど、チームワークが欠かせないため、チームワークより個人プレーを好む人は、歯科衛生士には向いていないかもしれません。
学び続ける意欲が乏しい
歯科衛生士は、医療技術の進歩に伴い、常に新しい知識やスキルを習得していく必要があります。学び続ける意欲に欠ける人は、この職業に向いていないかもしれません。医療の現場では絶えず変化が起こっており、それに対応するためには継続的な学習が不可欠だからです。
例えば、ホワイトニングコーディネーターや歯並びコーディネーター、歯科食育士など、歯科衛生士が取得していると有効な資格はたくさんあります。資格を取得することで給料を上げたい、スキルアップしたいと言う意識を持っていることが大切です。
参加を検討されている方は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考に、有意義な時間を過ごしてください。
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歯科衛生士のストレスを解消するには
歯科衛生士のストレスを解消するには、以下のような方法がおすすめです。
- 転職
- コミュニケーションスキルの向上
- 適度な休息とリフレッシュ
- キャリアアップによるモチベーション維持
それぞれの点を詳しく見ていきましょう。
転職
ストレスがたまる、職場がつらい、という場合は、転職を検討することも一つの選択肢です。転職を決断する際は、自身の目的や希望をよく見極めることが大切です。条件面だけでなく、職場の雰囲気や自分が求めるビジョンと合致しているかも確認しましょう。転職サイトや人材紹介サービスを利用すれば、多くの選択肢の中から自分に合った職場を見つけやすくなります。
転職先を選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。
- 診療内容と患者層:自分の経験やスキルを活かせる環境か
- 勤務体系と労働条件:ライフスタイルに合った勤務体系か
- キャリアアップの機会:スキルアップの機会が充実しているか
- 職場の雰囲気とチームワーク:コミュニケーションやチームワークが良好か
自分に合った職場環境を見つけることで、ストレスを感じにくくなり、長く働き続けることができるでしょう。
就職先の選び方のポイントは以下の記事でも解説しています。転職をお考えの方は参考にしてみてください。
『【歯科医院向け】歯科衛生士の就職先の選び方|魅力を感じる条件』
コミュニケーションスキルの向上
歯科衛生士の仕事でストレスを感じる大きな理由の一つが、患者さんや歯科医師とのコミュニケーションです。以下のようなスキルを身につけることで、ストレスの軽減につながります。
- 傾聴:相手の話に耳を傾け、気持ちを理解する
- 質問:適切な質問で相手の状況や要望を引き出す
- 説明:わかりやすく丁寧に治療内容や口腔ケアを説明する
- 共感:相手の立場に立って思いやりを示す
また、歯科医師とのコミュニケーションでは、報告・連絡・相談を密にし、チームとしての連携を大切にすることが求められます。
コミュニケーションスキルは一朝一夕では身につきません。日頃から意識的にトレーニングを積み、少しずつ向上させていくことが大切です。歯科医院内での勉強会やロールプレイングなどを活用するのもおすすめです。コミュニケーション能力を高めることで、歯科衛生士としてのストレス軽減とキャリアアップにつなげていきましょう。
適度な休息とリフレッシュ
仕事がきつい、疲れたと感じた時は、適度な休息とリフレッシュを心がけることが大切です。趣味の時間を作ってストレス発散・気分転換をしたり、休日は思いっきり休んで心身のリセットしたりしましょう。
また、年次有給休暇はしっかり取得しましょう。日頃のストレスを発散し、心身ともにリセットする良い機会になります。
メンタルヘルスを保ち、モチベーションを維持するためにも、オンとオフの切り替えを大切にしましょう。
キャリアアップによるモチベーション維持
歯科衛生士としてのモチベーションを維持するには、キャリアアップが効果的です。認定資格を取得したり、後輩の育成に携わったりすることで、自身のスキルアップにもつながるでしょう。キャリアアップにより、専門性を高め、責任ある立場につくことで、やりがいを感じられるようになります。また、自身の市場価値を高めることで、労働条件の改善にもつながるというメリットも生ます。 継続的な学びと成長が、歯科衛生士としてのモチベーション維持には重要です。
歯科衛生士のやりがいと魅力
本記事では歯科衛生士がきついと感じる理由やストレスについてご紹介しましたが、歯科衛生士の仕事にはやりがいと魅力もたくさんあります。やりがいと魅力としては、以下の点が挙げられます。
- 患者さんの健康維持に貢献できる
- 歯科医療の知識・技術を身につけ、プロフェッショナルとしての誇りを持てる
- 定期健診などを通して、患者さんとの良好なコミュニケーションと信頼関係を築ける
- 歯科医師や歯科技工士など他職種と連携し、チームの一員として働ける
歯科衛生士は患者さんの健康を支え、専門性を発揮できるやりがいのある職業です。大変な面もありますが、その分、人の役に立てる喜びを感じられる素晴らしい仕事だと言えるでしょう。
歯科衛生士のメリット・デメリットは以下の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
『【歯科医院向け】歯科衛生士が感じるメリット・デメリットを解説』
歯科衛生士の採用ならデンタルHR総研
歯科衛生士の仕事は肉体的・精神的に「きつい」と感じる人も少なくありません。そこで、歯科衛生士の定着率を上げるためには、働きやすい職場環境の整備が何より重要です。 人間工学に基づいた診療スペースの設計、休憩時間の確保、コミュニケーションの活性化など、歯科衛生士が長く働き続けられる環境作りが求められます。キャリアアップの機会を設けることも、モチベーション維持につながるでしょう。
歯科衛生士の採用でお困りなら、ぜひデンタルHR総研にご相談ください。豊富な実績を持つコンサルタントが、貴医院に最適な人材採用と定着率向上の方策をアドバイスいたします。
まとめ
歯科衛生士の仕事には「きつい」と感じる面もありますが、働く職場によってストレスは軽減できます。今の職場に不満がある方は、転職も視野に入れて行動することをおすすめします。歯科衛生士の仕事には、やりがいと魅力もたくさんあります。ストレスを感じたら、転職やスキルアップ、休息などで解消策を見つけましょう。
この記事を書いた人
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