国民皆歯科健診とは?実現されたら歯科医院に起こる変化
2023.09.252022年6月に、日本政府は国民全員の歯科健診を義務化する「国民皆歯科健診」の検討を発表しました。
国民皆歯科健診とは、日本の公的な保健サービスの一環として行われる、全ての国民に対する定期的な歯科健診のことを指します。
健康保険制度の一環として実施され、日本の歯科医療制度の一環として、一定期間ごとに全ての国民が無料で受けることができるよう検討中のようです。
この記事では、予防歯科や早期発見・治療を促進することを目的とされる「国民皆歯科健診」について詳しくご紹介します。
国民皆歯科健診とは?
国民皆歯科健診とは、日本全国民に対して、毎年の歯科健診を義務付けるというものです。
現在の日本で歯科健診が義務付けられているのは、1歳半から高校3年生までで、成人後の学生や社会人は歯科健診を受ける義務はありません。
そこで、2022年度の「骨太の方針」で、年代関係なく国民全員が定期的に歯科健診を受けることを目標とする「国民皆歯科健診」制度の検討が発表されました。
国民皆歯科健診では、歯科医師や歯科衛生士が口腔内の検査や歯のクリーニング、歯周病のチェックや、歯科医師からのアドバイスや予防歯科に関する情報提供も行われます。
国民皆歯科健診の目的は、口腔の健康状態を把握し、早期の疾患発見や予防を促進することです。具体的には、定期的な歯科健診や歯科健診の普及、予防歯科の啓発、口腔ケアの指導なども含まれます。
国民皆歯科健診については、こちらの記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。
「国民皆歯科健診」施行でどう変わる?歯科衛生士の採用と教育が急務な予感 !?
国民皆歯科健診が検討されている背景
国民皆歯科健診の受診は国民の義務ではありませんが、予防歯科や口腔の健康維持のために積極的に受けることをおすすめします。
健康な口腔状態を保つことは全身の健康にもつながるため、健診が前向きに検討されています。定期的な歯科健診や歯科健診の普及、予防歯科の啓発、口腔ケアの指導などが含まれ、より健全な歯のケアを促進する制度です。
成人の歯科受診率が低いため
成人は仕事や家庭の忙しさに加えて、歯科受診にかかる時間や予約の調整などの手続きにも時間を割く必要があります。そのため、歯科受診を後回しにしてしまい、成人の歯科受診率が低くなっているようです。
また、経済的な問題も成人の歯科受診率の低さにつながっています。歯科治療には費用がかかるため、経済的な理由から歯科受診を控えてしまう人もいるでしょう。特に保険の適用外の治療や高額な治療を必要とする場合は、受診をためらうことがあります。
国民皆歯科健診は歯周病などの検査も行うことができるため、早期に歯のトラブルを解決することができ、早期改善につなげることができます。
歯周病の罹患率が高いため
歯周病は、予備軍も含めると日本人の成人の約8割が感染しているといわれています。実際に歯を失う原因の第1位にもなっており、定期的な健診で予防することが大切です。
歯周病は、歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの間に溜まり、炎症を引き起こすことで発症します。不適切な歯磨きや歯間清掃などの口腔衛生習慣があると、歯垢が蓄積しやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
また、喫煙は歯周病の発症や進行を促進する要因の一つです。喫煙によって血行が悪化し、免疫機能が低下するなども罹患率が高い理由となっています。
国民皆歯科健診を普及させ、歯科医療機関や保健所などで口腔健康の重要性を広く認識させることで、口腔の健康を維持し、早期治療につながります。
国民の健康寿命を延ばすため
歯周病は生活習慣病(高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなど)や全身疾患(心疾患、脳卒中、関節リウマチなど)とも関連しています。これらの疾患は、炎症反応や免疫応答が関与しており、歯周病の発症や進行を促進する可能性もあるのです。
受診後の定期的な歯科受診も行うことができるため、国民皆歯科健診とは、長い目で見て歯や口内環境の健康診断として導入されている制度となっています。
国の医療費削減のため
国民皆歯科健診が検討されている背景として、国の医療費削減のためであるというのも理由の一つです。
現在の日本は超高齢化社会で、医療費は年々増加しています。上記で述べたように、歯周病は生活習慣病や全身疾患にも関係しているため、歯科健診で歯の健康を保つことで、将来的な医療費の削減を図ることができるのです。
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国民皆歯科健診が実現された歯科医院に起こる変化
日本政府は、国民皆歯科健診の制度を2025年に導入することを目指しています。
国民皆歯科健診が実現されたら、歯科医院ではどのような変化が起こるのでしょうか。
- 歯周病治療や予防の需要が高まる
- 訪問歯科の需要が高まる
- 患者が増加する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
歯周病治療や予防の需要が高まる
幼児期はもちろん、青年期でも歯周病や虫歯対策は欠かせません。歯の健康管理は早期解決が求められるため、予防と早期の歯の治療が必要です。
上記でもご紹介したように、歯周病の罹患率の高さの問題や国民の健康寿命を伸ばすという目的のため、国民皆歯科健診制度の検討が開始されました。
国民皆歯科健診が実現されたら、多くの方が気軽に歯医者に訪れ健診を受けることになります。
国民皆歯科健診が実現されたら、歯科医師の重要性が認識され、歯周病治療や予防の需要が高まるでしょう。また、歯科衛生士の需要も同じく高まりつつあります。
訪問歯科の需要が高まる
高齢化社会の進展に伴い、訪問歯科の需要も高まるでしょう。
年齢を重ねると歯周病のリスクが高まるため、高齢者を対象とした歯周病治療や予防も行う必要があります。
高齢者が増えている現状を踏まえると、定期的な受診から今後は歯科衛生士や医師の訪問歯科の需要が高まることも見込まれるでしょう。
患者が増加する
上記でご紹介したように、国民皆歯科健診が検討された背景には「成人の歯科受診率の低さ」「歯周病の罹患率の高さ」などが挙げられます。
現在は歯科健診は義務付けられていないので、歯が痛いなどのトラブルがない限り歯医者に行かないという方も多いはずです。歯科健診が義務付けられることで、そういった層の方も受診するようになり、患者は増加するでしょう。
国民皆歯科健診に関するよくある質問
ここでは、国民皆歯科健診に関するよくある質問についてまとめました。
- 歯科健診の義務化はいつから?
- 国民皆歯科健診にかかる費用は誰が負担する?
- 「骨太の方針」とはなに?
- 国民皆歯科健診はいらない?
「国民皆歯科健診にかかる費用は誰が負担するのか」「そもそも国民皆歯科健診は本当に必要なのか」など、受診者側も歯科医院側にとっても気になる問題について解説します。
国民皆歯科健診の義務化はいつから?
国民皆歯科健診の義務化は、2025年の導入を目指していると日本政府は発表しています。
具体的な時期やどういった形で歯科検診を行うことになるかはまだ決まっていませんが、今後定かになっていくでしょう。
国民皆歯科健診にかかる費用は誰が負担する?
国民皆歯科健診にかかる費用は誰が負担するかという問題も非常に気になる点ですよね。
国民皆歯科検診はまだ検討中であるため、費用についても現在ではまだ定かではありません。
「費用は基本的に国が負担していくようにする」ことを目標に進められているという話もありますが、今後変わってくる可能性もあるでしょう。
「骨太の方針」とはなに?
国民皆歯科健診の導入検討は、2022年6月に「骨太の方針」で発表されました。
そもそも「骨太の方針」とはなんなのかと疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
実は「骨太の方針」とは通称で、正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」といいます。骨太の方針は、年末の予算編成に向けて、国の政策の基本的な方向性を示す文書のことです。
「骨太の方針」では政権として力を注ぐ政策の方向性を示し、健康・医療・介護、教育、インフラ、防災面など、さまざまな問題を解決するための公約となっています。
国民皆歯科健診はいらない?
国民の中には、歯科健診が義務化されるのはおかしい、いらないのではないかという声も見られました。
国民皆歯科健診には税金が導入されるため、「利用しない人にとっては損に感じる」「個人の健康のために税金が使われるのはよく思わない」などと感じる方もいるようです。
しかし、国民皆歯科健診は新たな社会や医療の課題に対応するために、国民の健康づくりと医療の質の向上を目指すために利用できる制度です。
高齢化社会や医療費の増大なども考慮すると有意義な制度の一つといえるでしょう。
患者の増加に対応するため歯科衛生士を採用したいならデンタルHR総研
国民皆歯科健診は2025年の導入を目指しています。国民皆歯科健診の導入に伴い、歯科医院を受診する方は増加するでしょう。健診で虫歯を早期発見、治療することになれば、健診だけでなく患者数も増えるはずです。
国民皆歯科健診では、歯科医師や歯科衛生士が患者の口腔健康状態の評価や歯科健診を行い、口腔ケアや予防指導を提供することになるでしょう。また、虫歯や歯周病の早期発見や治療計画の立案なども担当します。国民皆歯科健診の普及によって、これらの役割を果たす歯科衛生士の需要も増加していくでしょう。
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わかりやすい料金形態
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全て初期費用はかからず、ベーシックプランならば月額費用も無料の完成成功報酬制で利用できます。一般的に、人材紹介サービスの成功報酬は、採用する求職者の年間賃金の20%ほどですが、デンタルHR総研では採用一人あたりの成功報酬も固定でわかりやすいです。
ベーシックプラン | プレミアムプラン | VIPプラン | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 5万円 | 8万円 |
成功報酬(採用一人あたり) | 歯科衛生士:55万円歯科助手・受付:30万円歯科医師:80万円 ※全て常勤の金額(非常勤は半額) |
歯科衛生士:25万円歯科助手・受付:15万円歯科医師:40万円 ※全て常勤の金額(非常勤は半額) |
0円 |
早期退職返金 | 成功報酬全額返金 | 成功報酬全額返金 | - |
無料オプション | - | - | 人事(採用・労務)顧問 |
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歯科医院の特徴や理念を伝えていただければ、応募者との相互の適合性を確認し、採用のプロがサポートします。実績やキャリアのある歯科衛生士とクリニックとの相性などを考慮して、双方にとって魅力的なマッチングを可能としています。
まとめ
今回は「骨太の方針」にて発表された「国民皆歯科健診」についてご紹介しました。国民皆歯科健診は、予防歯科の重要性を啓発し、歯の健康を維持するための取り組みとして注目されています。
現在はまだ導入に向けて動いている最中ですが、国民皆歯科健診が義務化されたら、歯科衛生士の需要は増加していくでしょう。
どのような形で国民皆歯科健診が行われることになるかはまだ決まっていませんが、歯科医療機関や保健所、学校などでの就業機会が増えるはずです。
そもそも歯科衛生士は求人市場でも需要がとても高いため、募集していてもなかなか応募がこない、採用活動がうまくいかないという問題もよく発生します。
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この記事を書いた人
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