歯科衛生士の仕事とは?三大業務や職場の種類別の内容も詳しく解説
2024.07.14歯科医師の診療を支え、患者様の口腔内環境の健康を守る歯科衛生士は、歯科医院にとってなくてはならない存在です。しかし、その仕事内容は奥深く、専門性の高い知識と技術が求められることがあります。歯科医院長様にとって、優秀な歯科衛生士を採用することは、患者様の満足度向上、医院の経営安定につながります。今回は、歯科衛生士の三大業務や職場の種類別の仕事内容も解説します。
歯科衛生士の仕事とは?三大業務を紹介
歯科衛生士の仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下の3つの柱に分類されます。
- 歯科予防処置
- 歯科診療補助
- 歯科保育指導
歯科衛生士の三大業務は、患者様の口腔内環境の健康を守るために欠かせないものです。
以下で、歯科衛生士の三大業務について詳しくご紹介しましょう。
歯科衛生士の仕事内容はこちらの記事でも解説しています。やってはいけないことも合わせてご覧ください。
『歯科衛生士がやってはいけないことは?違法行為をしないために知るべきこと』
①歯科予防処置
歯科予防処置とは、患者様の口腔内の状態を良くするための処置のことです。具体的には以下のような業務があります。
- 歯石除去
- フッ素の塗布
- 口腔内の清掃指導
歯科衛生士は、患者様の歯や歯茎の状態を確認した上で、専用の器具を使って歯石や着色汚れを丁寧に除去します。歯科予防処置は虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルを未然に防ぐための大切な業務です。
②歯科診療補助
歯科衛生士は、歯科医師の診療を補助する役割も担っています。具体的には以下のような業務があります。
業務 |
内容 |
診療の準備補助 |
|
患者様のケア |
|
治療の補助 |
|
このように、患者様の治療を円滑に進めるため、歯科医師の業務をサポートすることが歯科衛生士の大切な役割です。治療の前後に行う準備や後片付けなども欠かせない仕事となります。
ホワイトニング
歯科衛生士の業務の一つとして、ホワイトニングの施術が挙げられます。ホワイトニングは、歯の表面に付着した着色汚れを除去し、歯の色を白く明るくする施術です。ホワイトニングコーディネーターの資格を持つ歯科衛生士であれば、さらに専門的な知識を活かしたカウンセリングが可能です。
ホワイトニングコーディネーターは歯科医院において、患者様に最適なホワイトニング治療を提供するために、専門的な知識と技術を持つスタッフです。近年、審美歯科への関心の高まりとともに、ホワイトニングコーディネーターの役割もますます重要になっています。
ホワイトニングコーディネーターについてはこちらの記事で解説しています。こちらの記事を合わせてご覧ください。
『歯のホワイトニングを医院で行う際の種類やルールをわかりやすく解説』
③歯科保育指導
歯科衛生士の大切な役割の一つが、歯科保育指導です。歯科保育指導では、う蝕や歯周病の治療・予防を目的に患者様一人ひとりの口腔内の状況に合わせて、適切なブラッシング指導や食生活の改善、セルフケア指導などを行います。
例えば、患者様の年齢や口腔環境に応じて、以下のような指導を行います。
年齢 |
指導内容 |
幼児期 |
保護者への歯みがき指導 |
学童期 |
本人への歯みがき指導 |
思春期・成人期 |
本人への歯みがき指導、セルフケア、食生活の見直し指導 |
高齢期 |
口腔乾燥予防、義歯の手入れ方法指導 |
このように、一人ひとりの患者様に合わせた丁寧な口腔衛生指導を行うことで、虫歯や歯周病を予防し、健康な口腔内を維持することができます。
歯科衛生士のその他の仕事内容
歯科衛生士の業務は、先述した三大業務に集約されますが、それ以外にもさまざまな仕事があります。例えば、医院によっては受付や会計業務なども歯科衛生士が行います。患者様とのコミュニケーションは大切な役割の一つです。さらに、在庫管理や医院の清掃、スケジュール管理など、医院運営に関するさまざまな仕事を担当することもあります。
このように、歯科衛生士の仕事は多岐にわたるため、柔軟性と幅広い対応力が求められる仕事でもあります。
【職場の種類別】歯科衛生士の仕事内容
歯科衛生士の仕事内容は、勤務する施設や歯科医院によってさまざまです。 例えば、一般の歯科医院では診療の補助が中心となりますが、企業や学校の健診現場では保健指導に重きが置かれます。 また、専門分野に特化した医院では、その分野に特化した業務を行うことになるでしょう。このように、歯科衛生士の方々は多様な職場で活躍されています。 以下で、職場の種類別の歯科衛生士の仕事内容を具体的に見ていきましょう。
歯科医院
歯科医院で歯科衛生士が担う主な業務は、患者様の口腔内の清掃や歯石除去、フッ素の塗布などの予防処置です。患者様の口腔内を清潔に保ち、虫歯や歯周病のリスクを軽減することが目的です。その他にも診療の介助や医療機器の手入れ、滅菌作業なども行います。また、患者様に対する保健指導も大切な役割です。虫歯や歯周病の予防のため、適切な歯みがき指導や食生活のアドバイスを行います。
小児歯科医院
小児歯科医院での歯科衛生士の役割は、子ども、保護者、歯科医師の橋渡しを行うことです。子どもは歯医者に怖いイメージを持っていることが多いため、怖がらずに診療を受けられるようにするために、保護者の方と歯科衛生士がお互いに協力することが大切です。
例えば、歯科医師から受けた子どもの検査結果を保護者にわかりやすく説明したり、子どもに治療の目的や内容をわかりやすく伝えたりします。また、小児期は歯の発育や永久歯の生え代わりの大切な時期です。歯科衛生士は子どもの口腔内の様子を細かく観察し、保護者にもわかりやすく説明することが求められます。
大学病院・病院
大学病院や病院で勤務する歯科衛生士の主な業務は、入院患者様の口腔ケアです。病院では、一般の歯科医院では治療が難しい重症や複雑な症例が多く、高度な専門知識と技術が求められます。また、医科からの依頼で外来や入院中の患者様に対する治療に携わることもあるでしょう。歯科衛生士は医師や看護師と連携しながら、患者様の口腔内を定期的に観察し、口腔内の清掃や義歯の手入れ、口腔乾燥予防のためのうがいの指導などのケアを行います。
介護施設
介護施設に勤務する歯科衛生士の主な役割は、入所者の口腔ケアです。高齢者は加齢に伴い唾液の分泌量が減り、口腔内の自浄作用が低下するため、歯科衛生士による専門的なケアが重要となります。具体的には以下の業務を行います。
- 入所者一人ひとりの口腔内状況を把握し、ケアの計画を立案する
- 入所者の口腔内を定期的に清掃・検査する
- 必要に応じて歯石除去などの予防処置を行う
- 義歯の手入れ方法を指導する
- 摂食嚥下リハビリなどの口腔機能訓練を行う
このように、介護施設における歯科衛生士は高齢者の口腔環境を整え、健康維持に大きく寄与しています。
訪問歯科
訪問歯科とは、歯科医師や歯科衛生士が高齢者施設や個人宅を訪問し、口腔ケアや治療を行うことです。訪問歯科の歯科衛生士の仕事内容は、以下の2種類があります。
訪問歯科の種類 |
仕事内容 |
歯科医師に同行する |
歯科医師の治療のアシスト、患者様の口腔ケア |
歯科衛生士のみで訪問する |
患者様宅へ伺い口腔ケア |
施設や個人宅への移動が伴うため、スケジュール管理や準備物の確認が重要です。また、患者様の生活環境に合わせた臨機応変な対応力が求められます。
保健所・保健センター
保健所や保健センターでは、歯科衛生士が地域住民の歯科保健指導や健診業務に従事しています。例えば、小学生を対象にした虫歯予防の説明や咀嚼力や嚥下力が低下した高齢者の方への機能訓練指導などを行います。保健所と比べ、保健センターの方が地域住民と密接に関わる業務が多い傾向にありますが、歯科衛生士としての業務は似ている部分が多いです。
企業・メーカー
企業やメーカーで歯科衛生士が従事する業務は、主に製品開発や営業、研修講師などがあります。企業・メーカーで働く歯科衛生士の仕事内容は、以下のようなものが考えられます。
製品開発・改良への協力 |
|
製品の販売促進活動 |
|
歯科医療従事者向けの製品研修 |
|
口腔ケアに関する啓発活動 |
|
企業やメーカーで働く歯科衛生士は、患者様を診るわけではなく、商品開発や自社製品の顧客を増やすことが挙げられます。営業先は歯科医院や病院、歯科衛生士の専門学校などが中心です。特に医療関連企業で働く場合の顧客は、歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者となります。企業やメーカーで働く歯科衛生士は、歯科専門知識を活かしながら、企業の製品やサービスの充実に貢献します。製品知識を深め、プレゼンテーション力も発揮できる仕事です。
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まとめ
今回は、歯科衛生士の三大業務や職場の種類別の仕事内容を解説しました。歯科衛生士の三大業務は、以下の通りです。
- 歯科予防処置
- 歯科診療補助
- 歯科保健指導
また、勤務先によって仕事内容は異なります。歯科医院では主に予防処置と診療補助、病院では入院患者の口腔ケアなどを行います。一方で、企業に勤務する場合は商品開発や営業などの業務もあります。歯科衛生士は縁の下の力持ちとなる専門性の高い仕事です。
デンタルHR総研では、貴医院に最適な人材をプロのノウハウを用いて採用します。歯科衛生士の採用にお困りでしたら、一度デンタルHR総研にご連絡ください。
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