【医院向け】歯科衛生士の人材紹介やジョブメドレーはすぐ辞める?

2022.06.20

こんにちは、土屋です。

せっかく採用したスタッフが入職してすぐに退職してしまった。よく耳にする話です。歯科衛生士の3ヶ月以内離職率は30%と言われていますが、ではなぜすぐに辞めてしまうのか?

中でも良く耳にするのが、人材紹介やジョブメドレー経由、つまり成功報酬型サービスにおいて採用した人は辞めやすいという話です。それは果たして本当なのでしょうか?

本記事ではそんな早期退職の理由や対策について、歯科衛生士の採用560名、早期離職率9.6%の実績のある私の経験やノウハウ含めて解説していきます。

人材紹介やジョブメドレーはすぐ辞めるは勘違い

まず結論です。人材紹介やジョブメドレーはすぐ辞めるは勘違いです。

採用ルートによって離職率が異なるということは原則としてありません。人材紹介やジョブメドレーは、自社で何かを製造して販売してわけではなく、単に医院と人材をマッチングさせるプラットフォームを提供しているにすぎません。

送られてくる人材やサービスの質が低いのであれば採用しなければよいだけです。最終的には労使双方が納得して採用入職を決めているので、早期退職の原因を招いているのはサービス提供会社ではなく、労使のどちらかにあると考えるのが正しいです。
※採用する上での注意点はありますので後で記述します。

早期退職の原因はミスマッチ

そもそも「ミスマッチ(mismatch)」とは、既に組み合わせとなっている両者にズレが生じていたり、不釣り合いであったりする状態を指す言葉です。 これを人材採用などの場面において使用する場合には、医院側と求職者のニーズにギャップがある状態を指します。

このミスマッチは早期退職に繋がることはもちろんのこと、勤務継続となった場合でも、仕事のパフォーマンスが発揮されにくい、モチベーションが下がりエンゲージメントの向上が見込めない、結果として他スタッフや院内環境に悪影響を及ぼす原因菌となります。

したがって、採用活動において、ミスマッチを防ぐということは非常に重要な要素であるといえます。

ミスマッチの種類は大きく3つ

ミスマッチには大きくわけて、下記の3つの種類があります。

1.条件認識の相違によるミスマッチ
2.医院環境への適応に関するミスマッチ
3.自己周辺環境の変化によるミスマッチ

それぞれ解説してきます。

1.条件認識の相違によるミスマッチ

労働条件が募集内容と異なっていた、労働時間や休日などに不満があった、仕事内容の認識が違ったなど、条件認識の相違によるミスマッチです。「聞いていた話と違った」というやつです。こちらは感覚の問題ではなく、事実として目に見える相違なので不信感に繋がりやすく、その分早期退職の可能性も高まります。

具体的には
・給与や賞与の内容が違う。残業しても残業代がでない、1分単位で計算してくれない。手当の上限があり聞いていなかった。
・残業が聞いていたよりも多い。規則で定められている勤務時間よりも前に出勤するのが暗黙ルールとなっており聞いていなかった。
・社保に入れてくれない。受付業務はしないと聞いていたのに実際にはある、など。

条件認識の相違によるミスマッチを防ぐには?

この問題は最も不信感に繋がる課題ではあるものの、感覚や価値観のズレではなく事実として見えるハード情報のため、お互いの認識を一致させておけば逆に安心感に繋がります。

やり方は簡単、「労働条件通知書」「雇用契約書」を用いて事前に事前に条件をきちんと伝え、双方納得の上で入職してもらうことです。

「労働条件通知書」「雇用契約書」についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

通知書は、ただ送って終わりではなく、ミスマッチをなくす意味でも必ず対面で口頭での説明を含めて通知をすることをおすすめします。また、当たり前ですが、労働条件通知については、必ず入職前に行ってください。入職後にはじめて通知する医院様がおりますが、トラブルに繋がる可能性が高まりますので、絶対にやめましょう。

<具体的な進め方>
1.採用内定決定
2.労働条件通知書作成
3.来院いただくか、Zoomなどのオンラインツールを使った「条件通知面談」を設定【オススメ!】
4.通知書を上から順を追って読み上げていく
5.最後に求職者から質問を受け付ける
6.双方納得の上、署名捺印する

このプロセスは必ず実施ください。
一般企業では採用内定後にほぼ必ず「条件面談」というプロセスを挟みます。労働条件通知書の読み合わせと、あらためての社内見学と本人意思確認を行い、入社後のミスマッチをなくす目的です。

歯科医院の医院見学は選考の最初にやるものという思い込みがあるかもしれませんが、採用内定後に医院見学してもらうのも有効です。採用が決まっているからこそ、選考の最初では聞けなかった突っ込んだ質問なども出てきて、お互いの不安解消にもなりますので是非実施してみてください。

2.医院環境への適応に関するミスマッチ

歯科衛生士の退職理由の第1位は人間関係です。歯科医院は大企業と比べて規模が小さい分、働く上での人間関係の優先度が高くなります。また、企業であれば、部署異動や配置転換など対応できることはありますが、歯科医院の場合はそれができないので、結果として退職するしか選択肢がない。なので人間関係で辞めてしまう割合が多いのも仕方ありません。

環境適応度を図る施策として一般的には以下のようなものがあります。
1.採用要件と採用基準の明確化
2.面接での見極め方法の明確化
3.医院見学、条件面談の実施
4.パワハラやセクハラはご法度
5.原因の追求と対策

★ここについてはボリュームがあるため今後別記事として詳しく解説します。

3.自己周辺環境の変化によるミスマッチ

医院の問題、採用者と医院の関係の他にも、採用者自身の環境の変化による早期退職というのもあります。
例えば、旦那様・パートナーの転勤、妊娠、家族の介護、体調の悪化、などです。

まず、旦那様・パートナーの転勤や妊娠、家族の介護など、これはどうしようもできません。そもそもこのようなことは本来面接では聞いてはいけないことであり、採用の判断基準にはしていけないことになっている要素です。リスクを冒して質問しても、例えば転勤についての面接マニュアルには「今の所予定はありませんと答えましょう」と記されてますので、本当のことはわかりません。

体調については、採用面接時に健康診断書を提出させることは可能で、労働全衛生規則43条は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、健康診断を実施することを求めており、健康診断の実施に代えて既往歴を含む項目が記載された健康診断結果を提出させることを認めています。そのため、採用面接時に、業種や職種に適性があるか否かを判断するためといった必要かつ相当な範囲での、健康診断書を提出させることは可能といえます。

また、健康状態を書面に記入してもらう方法も考えられます。例えば、アレルギーに関する情報や色覚異常がある場合、てんかんなど発作を起こすおそれがある場合、などは周囲の人が把握しておくことで、未然に防ぐことが可能になったり、もしもの場合に適切な対応ができたりすることもあります。

記入(申告)を求めることで、就業とは無関係な健康に関する情報を取得し、差別につながることになってはいけませんが、情報を共有することで互いによりよい職場環境を構築することまできるため、会社の業種や職場環境を考慮し、必要な範囲で記入を求めることは可能です。

リスクヘッジは諸刃の剣

しかし、リスクヘッジは諸刃の剣で、やればやるほど求職者が逃げていく(辞退する)可能性が増えます。そもそもプロセスが増えますし、信用されていないのでは?と疑念を抱くことで辞退に繋がるからです。

よって、早期退職のリスクを減らそうとすればする程採用の確率が増えるとうことは念頭に置いておきましょう。

人材紹介やジョブメドレー経由での採用で注意する点

人材紹介やジョブメドレーはすぐ辞めるは勘違いと述べましたが、注意点があります。

それは人材紹介に登録されている情報が古い、または、登録されている情報と実情に相違がある場合です。
人材紹介会社から人材を紹介頂いたタイミングで、自院の情報が求職者に対してどのように伝わっているのかを必ず確認し、情報の相違があればその場で訂正しましょう。

また、これは人材紹介やジョブメドレーに限ったことではありませんが、非常に細かい部分だが表には出にくい情報(例えば、残業代がきちんと1分単位で計算されているか、試用期間中の給与の扱い、賞与はいつから支給対象になるのか等)には紹介(応募)タイミング特段触れたりしませんが、求職者はこのような細かい部分も気にしています。

コンプライアンスが守られている中での相違であればまだ良いですが、そうでないケース(例えば、残業代が1分単位で支払われていない、助手に衛生士業務をさせている、等)は、先に事実を伝えておこないと後で問題になります。

人材紹介やジョブメドレーは採用するまでお金がかからないのが良いところなので、後で問題になりそうな部分は事前にすべて潰していくとう姿勢が大事です。

面接で聞いてはいけなことなどについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

入職後のフォローも非常に大事

これまで採用のミスマッチの話をしてきましたが、もう一つ早期退職の原因として多いのは入職後の放置問題です。
採用して満足して終わりというやつです。入職後の面倒はスタッフに任せっきりだったり、診療以外のコミュニケーションがなかったりして、孤立させてしまうと不安にさせて一気に心が離れていきます。

私の早期離職率が10%を切っているのは、ここのフォローを徹底して行うからです。最低でも入職日前日、入職当日、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後・・・と必ず連絡して問題がないか?入職前と入職後のGAPに感じている部分はないか?今の気分は?など徹底的にコミュニケーションをとっていきます。

本来は医院で行われているべき内容です。院長は特に最初の3ヶ月くらいは意識的に新人スタッフとコミュニケーションをはかる機会を取るようにしてください。

採用代行サービスの利用も視野に

人材紹介からの紹介は欠かせないもの、課題を感じている医院の間で「採用代行サービス」を活用するケースが増えています。

デンタルHR総研では、「待ちの採用」ではなく「攻めの採用」として医院の採用業務を無料で代行する採用代行サービスを提供しています。前述した労働条件通知書の作成から通知、その後の口説きとフォローアップまで含めて、初期費用・月額費用なしで運用を委託でき、且つ、料金も人材紹介よりもリーズナブルな設定となっています。

ご興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。

以上です。

 

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