歯科衛生士の新卒採用を成功させるには?効果的な求人のコツ
2023.04.03ディスクリプション
歯科衛生士の新卒採用は難しい現状があります。この記事では、新卒採用のメリット・デメリットをご紹介します。自院が新卒採用向きなのかどうかを踏まえ、採用活動成功のための戦略を練りましょう。また、歯科に特化した採用代行サービスなどを活用すれば、手軽に質の高い採用活動を行えます。
歯科衛生士を新卒採用したいと考えている医院もあるでしょう。
しかし、歯科衛生士の新卒採用は難しい現状があります。
新卒採用を実現するためには、現在の動向も含め、新卒採用に関してよく理解しておく必要があるのです。
そこで今回は、歯科衛生士の新卒採用を成功させるポイントや、新卒採用をするメリット・デメリットについてご紹介します。
この記事を参考に、自院が新卒採用向きなのかどうか考え、採用活動成功のための戦略を練りましょう。
歯科衛生士の新卒採用は難しい
歯科衛生士の新卒採用は、なかなか難しいのが現状となっています。その理由は、人材が足りていないため。毎年約7,000名の新卒歯科衛生士が誕生しますが、それに対して新卒の募集人数は140,000件以上あり(1医院で複数名募集いるため歯科医院の数=求人人数ではありません)、求人倍率約20倍と、圧倒的な売り手市場であり、業界における人材不足が深刻です。
また、歯科衛生士は女性の比率が非常に多いため、結婚や出産などで離職してしまうことも問題となっています。
離職率も高めであるこの業界で、長く働いてくれるであろう新卒の歯科衛生士はとても貴重な存在です。そのため、新卒の歯科衛生士は他の医院との取り合いが激化しています。
歯科衛生士の雇用にお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
歯科衛生士の雇用・採用はなぜ難しい?理由を知って採用を成功させよう
新卒の歯科衛生士の求人方法は?
新卒の歯科衛生士の求人方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
求人方法にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を知ることで、より自院にとって最適な方法を選びやすくなります。
ここからは、新卒の歯科衛生士の求人方法として主なものを見ていきましょう。
歯科衛生士学校・養成所へ求人票を出す
歯科衛生士学校や養成所など、未来の歯科衛生士が学んでいる場所へ直接求人票を出すという方法があります。
歯科衛生士学校や養成所には、学生が教育機関を卒業した後の就職に関するサポート担当者などがおり、学校に届いた求人票なども学生に紹介してくれます。新卒採用を希望する生徒の目に止まりやすいため、人材の確保が期待できるでしょう。
ただし、求人票を閲覧してもらえるのは求人票を提出した先の学生のみ。閲覧する人数の母数が限られるため、同じく求人票を出している医院が多ければ、学生の取り合いになる可能性もあるでしょう。
求人検索エンジンの利用
求人検索エンジンを利用するという方法もあります。求人検索エンジンとは、求人に特化した検索エンジンのこと。具体的なサイトとしては「Indeed」や「Googleしごと検索」などがあり、普通の検索エンジンと同じように職種や勤務地で検索すると求人を探すことができます。
検索エンジンに登録して募集記事を掲載してもらうことにより、新卒採用を募ることができるでしょう。
この方法の良いところは、不特定多数のユーザーに閲覧してもらえるため、幅広く募集をかけられること。
ただし、求人の掲載に費用がかかるなどのデメリットもあります。また、特に大手の求人検索サイトに掲載されている求人情報は膨大な数であるため、応募者の興味を引くような内容でなければ、他の医院の求人に埋もれてしまい、あまり見てもらえない可能性もあるでしょう。
歯科衛生士向け求人サイトの利用
歯科衛生士向けの求人サイトを利用するのも方法も1つです。
具体的なサイトとしては、「グッピー」や「ジョブメドレー」「クオキャリア」などが挙げられます。この方法のメリットは、歯科衛生士として働きたい人にピンポイントで募集記事を見てもらえることです。
前の項目で紹介した求人検索エンジンは、歯科衛生士のような医療系の職種だけでなく、飲食・製造・事務・営業・福祉など、非常に幅広い職種の求人記事を取り扱っています。そのため、歯科衛生士の新卒者が求人記事を探しきれない場合もあり得るでしょう。
その点、歯科衛生士向けの求人サイトは内容が歯科衛生士関連に特化しているため、サイトを訪れる人も基本的に歯科衛生士として勤務を希望する人のみ。ターゲット層にダイレクトに求人情報を見てもらえるので、その分リアクションも期待できるでしょう。
歯科衛生士向け求人サイト「ジョブメドレー」について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【歯科医院向け】ジョブメドレーの評判は?口コミや利用方法を徹底解説
【採用担当者向け】ジョブメドレーの成功報酬はいくら?料金形態を徹底解説
自院ホームページで魅力や採用情報をアピール
外部のサイトなどを利用する他に、自院のホームページで自院の魅力や採用情報をアピールするという方法もあります。ホームページ内にリクルートページを設置すれば、より閲覧者にとってわかりやすいでしょう。
この方法のメリットは、自院で作成すれば費用はほとんどかからないこと。また、何か情報に修正・更新などが発生したときでも、すぐに対応しやすいこともメリットといえるでしょう。
ただし、自院にホームページの作成を担当できる人がいなければ、外注しなければならないため費用が発生します。また、自院のホームページに訪れてもらわなければ採用情報もアピールできないので、自院のホームページの閲覧数を増やす発信方法を考える必要もあるでしょう。
歯科衛生士の新卒採用を成功させるには
歯科衛生士の新卒採用は、ただ漫然と募集をかけるだけでは成功しません。
そこでここからは、歯科衛生士の新卒採用を成功させ、自院の求める人材を確保するために意識したいことを紹介します。
- 院長のビジョンを明確にする
- 複数の求人媒体を利用する
- 魅力的な求人原稿の作成
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
院長のビジョンを明確にする
歯科衛生士の新卒採用成功のためには、院長のビジョンを明確にすることが不可欠です。院長は病院の進む道を常に指し示す存在。つまり、人材採用の目的は院長が持つ、今後の事業のビジョンを叶えるためなのです。
したがって、院長のビジョンがはっきりしない状態であると、どのような人材を求めているのかも具体性がなくなり、採用活動の方向性が曖昧になってしまいます。院長のビジョンを明確にすれば、自院が採用すべき人物像も見えてくるでしょう。
また、院長のビジョンに共感する人材も集まりやすくなるはずです。
複数の求人媒体を利用する
新卒採用で利用する求人媒体は、1つに絞る必要はありません。求人媒体によってそれぞれの強みも異なるので、複数の求人媒体を並行して利用するのもおすすめです。
応募者は、全ての求人媒体をチェックしているとは限りません。自分の使いやすいサイトだけをチェックしている可能性もあるため、複数の求人媒体に募集記事を掲載した方が、より多くの人に求人を知ってもらいやすくなります。
ただし、利用する求人媒体は多いほど、かかる費用なども多くなるので、採用活動の予算とのバランスを見ながら、いくつの媒体を利用するか検討は大切です。
魅力的な求人原稿の作成
応募者に自院に応募したいと感じてもらうためには、魅力的な求人原稿を作成することも重要です。ポイントは、自院ならではのアピールポイントを明確にすること。
歯科医院は基本的にどこの職場もほとんど同じような業務内容であるため、他との差別化を図るのが難しいです。だからこそ、自院ならではの強みを分析し、しっかりとアピールして応募者に選んでもらいましょう。給与が高い・各種手当がある・社会保険が充実している・シフトを調整しやすいなど、応募者が好条件だと感じやすいポイントは積極的にアピールします。
ただし、誇張表現をするのはやめましょう。求人原稿だけよく見せても、実際の職場とのギャップがあれば、たとえ採用が叶っても結局ミスマッチにつながり、早期離職の可能性も高まってしまいます。
新卒採用のメリット
新卒採用には新卒だからこそのメリットが複数あります。
主に、院内に新たな人員を取り入れることで起こるプラスの影響を期待したいクリニックには利点が多いようです。
ここからは新卒採用を行うことで見込まれる主なメリットを見ていきましょう。
人員構造のバランスが良くなる
中途採用中心の職場は、社員の年齢構成に偏りが生まれやすくなります。中途採用者はある程度職務経験を積んだ年齢であることが多いため、必然的に中堅レベルの年代が集まります。しかし、若手の年齢層を少し厚くしたいと考える職場もあるでしょう。そのような場合、一定量の若手労働力を確保するには新卒採用が有用です。若手は中途採用者よりもこれから働ける年数が長いため、長期的に医院を存続させる上で大きなメリットとして活きてくるでしょう。
長期的に働いてくれる人材が確保できる
新卒を複数人採用すると、長期的に働いてくれる人材が確保できるというメリットがあります。新卒にとって、同期の存在は非常に大きいものです。まだ社会人になりたてで、仕事の仕方や仕事上のルールなどに慣れていない歯科衛生士は、「こんなときはどうしたらいいのかわからない」「なかなかうまく仕事ができなくて落ち込んでしまった」など、不安やネガティブな感情が発生することもあるでしょう。
そして、こうした気持ちは経験が豊富な先輩には打ち明けづらいところもあるものです。
そんな時に同期がいれば、お互いに相談し合ったり励まし合ったりしながら前向きに頑張っていけます。新卒を複数人採用することで医院内での横のつながりを強化すれば、仲間がいる環境から若手の働きやすさにつながり、早期離職の軽減も期待できるでしょう。
院内の空気や人間関係に刺激を与えられる
新卒を採用することで、組織の活性化を図れることもメリットです。まだ仕事や組織に染まっていない新卒の存在で、社内の空気や人間関係に刺激を与えられます。
また、新卒者の育成に携わることにより、現在働いているスタッフも自らの知識やスキルを改めて学習できるでしょう。その他、新卒者の受け入れに必要な環境整備をする中で、現在働いているスタッフの働きやすさにもつながったりと、職場環境のブラッシュアップも期待できます。
中途者よりも育成しやすい
新卒者は実務経験がないため、即戦力にはなりません。しかし、その分育成しやすいともいえるでしょう。たとえば、中途採用者はすでにある程度の経験があるため、良くも悪くも仕事に慣れています。これまで積み重ねてきた経験や、自分なりにやりやすい方法などで仕事を進めていくので、自院のカラーに新たに染まってもらうには難しいことも。
その点、新卒はいわばまっさらな状態。自院の方針や考えの継承をしやすく、他の医院での仕事を経験した中途者よりも育成しやすいのです。
新卒採用のデメリット
新卒採用には良い面だけではなく、マイナス面もあることを忘れてはいけません。
次に、新卒採用で考えられる主なデメリットをご紹介します。
戦力化するまでには教育コストがかかる
新卒採用は、実際に戦力になるまで教育コストがかかるというデメリットがあります。新卒者はこの前まで学生だった存在。いくら専門的な勉強をしてきたとしても、実際の業務ですぐに不足なく働けるかというと、それは難しいでしょう。
新社会人として働き始めたばかりでもあるので、まず社会人として仕事の基本的な仕組みを理解したり、社会人のマナーを覚えたり、全てを1から始める必要があります。
実際に戦力としてまだカウントできない状況でも、給与を支払い、先輩や上司が時間や手間をかけて教え、また適宜研修などにも参加させて、スムーズに働ける状態まで育てる必要があります。
ミスマッチが起こることも
新卒者は社会人としての経験がほとんどないため、まだ自分に合った職場をよくわかっていないという可能性があります。
また、採用側もこの前まで学生だった新卒者が実際に職場でどのくらいの戦力になるのか、見極めは非常に難しいといえるでしょう。このような状況により、新卒者と採用側でミスマッチが起こることもあり得ます。ミスマッチは最終的に離職につながりかねないため、できる限り避けたいところです。
選考においては学生の潜在的な能力や将来性を的確に見極め、また自社の経営方針や業務についてもできる限り理解してもらえるような工夫を考えましょう。
景気変動に左右されることも
新卒採用は景気変動に左右されやすいことも、デメリットとして理解しておきましょう。
新卒者には教育コストがかかるため、医院の経営状況によっては新卒者への先行投資を行えない状況が発生することもあるかもしれません。
景気の影響で新卒が採用しやすくなる場合もあれば、反対になかなか採用できない場合もあるはずです。新卒採用は常に一定の状態で行えるものではなく、その時々の状況によって変わりやすいことを留意し、都度適切な対応を考えていくことが大切です。
新卒採用が向いている医院とは
新卒採用をするメリット・デメリットについてわかったところで、ここからは、新卒採用が向いている医院の特徴を解説します。
医院によって、新卒採用の向き不向きは異なるので、自院に新卒採用が必要なのか見極めることも大切です。
スタッフの成長意欲を高めたい医院
新卒採用するメリットの項目でも述べた通り、まだ社会に染まっていないフレッシュな新卒者は、職場に投入することで、医院内の空気や人間関係に刺激を与えることができます。
新卒者だけではなく、新卒者を育てたり、新卒者が育っていけるような環境を整備したりすることで、周りのスタッフのレベルアップも期待できるでしょう。
このように、スタッフの成長意欲を高めたい医院であれば、新卒採用に向いていると考えられます。
人員構成を最適化したい医院
これもメリットの項目でふれましたが、即戦力として働いてもらえる中途採用者だけの集中的に雇用していると、職場の人員構成に偏りが生じ、長期的な病院の経営を考えた場合に、長期的に働いてくれる人材が不足するなどのマイナスな影響がもたらされる可能性があります。人員構成を最適化したい医院は、新卒採用のメリットを活用しやすいでしょう。
幹部候補となる人材を獲得したい医院
幹部候補ともなれば、その職場の理念や経営方針などについて深く理解し、他の幹部達と同じ方向を目指し動いていけるような人物でなければ務まりません。いくら職務経験が豊富で仕事に慣れた人であっても、中途採用した人材ではまだ勤続が浅く、企業の方針を十分に理解するのは困難ともいえます。
その点、長期的な勤続を見込める新卒者は、幹部候補になることも期待できるのです。
歯科衛生士の採用と定着施策はセットで考えよう
スタッフとしてだけではなく「将来の幹部候補を採用し育成する」という発想でないと、応募してくる人材も来ず、定着もしません。その理由は、たんなる労働力として使われるだけでは、働く人は仕事へのモチベーションを維持しにくいからです。
幹部候補として効果的な教育を行えば、教育を受ける側もその期待に応えようと考えてくれるかもしれません。幹部育成には最低15年はかかります。将来の幹部候補を育てるためにも、採用と定着施策は必ずセットで考えましょう。
歯科衛生士の採用でお困りならデンタルHR総研
引用:デンタルHR総研
新卒採用に関する疑問・悩みなどを含め、歯科衛生士の採用で困った際には、「デンタルHR総研」の利用がおすすめです。デンタルHR総研は、歯科医院の採用活動代行サービスを展開しています。歯科衛生士を始めとした歯科医院スタッフの採用活動は、なんとなく行っているだけでは良い結果につながりません。しかし、効果的な採用活動を行うには、採用活動を行う側の知識・スキルの習熟や経験の積み重ねも必要です。
そこで、歯科に関する採用活動のプロである「デンタルHR総研」のサービスを活用すれば、手軽にクオリティの高い採用活動を展開できます。
3つの料金プランから選ぶことができ、ベーシックプランは初期費用、月額費用無料の完全成功報酬型です。月額固定費がないので、ノーリスクでの採用が可能になります。
まずはお気軽に、デンタルHR総研のウェブサイトからお問い合わせください。
まとめ
今回は、歯科衛生士を新卒採用するメリットやデメリット、新卒採用を成功させるためのポイントなどをご紹介しました。
圧倒的な売り手市場である歯科衛生士の新卒採用は、容易ではありません。自院が求める新卒者を採用するためには、効果的な採用活動を展開し、自院をよく理解してくれる応募者を募る必要があります。そのためには、外部の専門的なサービスを活用するのも有効です。ぜひ今回紹介した内容を踏まえ、自院が人材を確保するためにはどのような採用活動を行っていけば良いか、検討してみてください。
この記事を書いた人
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